研究課題
平成22年度に実施した研究とその成果は、以下の通りである。1)パンコムギ+2H"+Gc'系統に正常パンコムギを戻し交配した子孫から選抜した2H染色体断片を持つ系統を計画通り50系統以上の66系統選抜した。これらの系統について2H特異的な114のESTマーカーを使ってPCR解析を行った。結果は論文として発表する準備をしており、現在、最初の原稿が出来上がっている。2)6H染色体については、パンコムギ+6H"+Gc'系統に正常パンコムギを戻した子孫の約1000個体から6H染色体断片を持つ個体を50系統選抜する予定であったが、断片系統の出現率が悪く、50系統には達しなかった。一部の系統と6H特異的ESTマーカーを使ってPCR解析を予備的に行った結果、6H染色体の細胞学的染色体地図作成ができることが明らかになったので、次年度には断片系統数を増やしてPCR解析を継続し、論文としてまとめる予定である。3)1H染色体断片を持つ個体の選抜は、パンコムギ+1H'+6H"+Gc'(2n=46)個体に正常パンコムギを交配した子孫の、約400個体を調査したが、1Hの断片染色体を得ることができなかった。子孫の染色体調査から、原因は2n=46個体の染色体構成の同定が間違っていたためであることが明らかになった。再度選抜を行うため、正しく染色体構成の同定を行った個体を選抜して栽培し、次年度に正常パンコムギとの交配とその子孫における選抜を行い、1H染色体の構造変異得る予定である。
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Plant Chromosome Engineering : Methods and Protocols, Methods in Molecular Biology
巻: 701 ページ: 247-257