研究概要 |
(1)Xa7のマップベースクローニング 3年前からXa7のマップベースクローニングに着手してきた.20年度は,Xa7候補領域を日本晴ゲノム領域で約63kbに絞り込んだ.次に,Xa7供与親であるDV85由来のBACクローンの選抜と塩基配列の解読を行った結果,Xa7候補領域はDV85のゲノム塩基配列では約128kbに相当することが判明した.遺伝子予測の結果,20の候補遺伝子が推定されたが,すべてこれまで報告されているR遺伝子と異なっていた.そこで,Xa7候補領域すべてを対象にして,DV85のBAC DNAを断片化して,pYLTAC7をベクターとしてクローニングした.現在は,相補性検定のための形質転換実験を開始している. (2)野生イネ系統の抵抗性評価と抵抗性遺伝子のマッピング 国立遺伝学研究所所有の野生イネコアコレクション約240系統を対象に抵抗性検定を行う予定である.20年度は,野生イネ101系統について日本産I群菌とIII群菌を用いて接種試験を行った結果,I群菌に対して抵抗性を示した系統数は27,III群菌に対しては22系統であった.抵抗性が確認された系統の一部にっいては,交配を行った.次年度は,約100系統について前年度と同様の試験を進める. 加えて,20年度は,既知の抵抗性遺伝子Xa11について研究成果をまとめ,JARQに投稿し,受理された.また,既知の抵抗性遺伝子Xa18に関する成績をとりまとめるとともに,台中65号のフィリピン産菌PXO339に対する特異的抵抗性の遺伝解析を行った.次年度は,これらの成果をとりまとめて,Breeding Scienceに投稿する.
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