研究概要 |
(1)Xa7のマップベースクローニング 5年前からXa7のマップベースクローニングに着手し、Xa7座は日本晴ゲノム領域で約63kbに相当することが3年前に明らかにされていた。そこで、H20年度はXa7の供与親であるDV85由来のBACクローンの選抜と塩基配列の解読を行った結果,Xa7候補領域はDV85のゲノム塩基配列では約128kbに含まれるが判明した。遺伝子予測の結果,20の候補遺伝子が推定されたが,これまで報告されているR遺伝子とすべて異なっていた.そこで,Xa7候補領域すべてを対象にして,DV85のBACDNAを断片化して,pYLTAC7をベクターとしてクローニングした.H21年度は,受容体品種をKasalathとして、Xa7候補領域すべてを対象に計6種のゲノム断片の形質転換実験を行い、T0植物20個体を得るとともに発現解析のためのサンプリングを実施した.H22年度は、H21年度に得た形質転換体の抵抗性の評価を行ったが、受容体として用いたインド型品種Kasalathが日本産菌に対して抵抗性を示したため、トランスジーンによるgain of functionが検定できなかった。従来、形質転換実験には日本型品種Taichung 65を用いているが、Taichung 65もXa7を導入した時には、Xa7の反応が明確でないため、形質転換能を考慮してKasalathを用いた。このことにより、相補性検定が頓挫した。 (2)野生イネ系統の抵抗性評価と抵抗性遺伝子のマッピング 国立遺伝学研究所所有の野生イネコアコレクション約240系統を対象に抵抗性検定を行っている.前年度までに、野生イネ約200系統について日本産I群菌とIII群菌を用いて接種試験を行った。本年度は、残りの約40系統にこれまでの結果で反応が明確でなかった系統を加えて、上記接種試験を行い、3カ年の結果のまとめとデータベース化を実施した。
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