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2010 年度 実績報告書

高温不稔の発生と耐性のメカニズムに基づく温暖化対策としての耐性イネ作出の評価

研究課題

研究課題/領域番号 20380011
研究機関岐阜大学

研究代表者

松井 勤  岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (70238939)

研究分担者 長谷川 利拡  独立行政法人農業環境技術研究所, 大気環境研究領域, 主任研究員 (10228455)
キーワード高温不稔 / イネ / ハイブリッドライス / 受粉 / 中国 / 受精
研究概要

1. 水稲の高温不稔が頻発する中国・長江中流域の圃場で,葯の頂部及び基部の裂開の大きさが異なる10品種のイネを栽培し,受粉・受精の安定性,穂温および,それらと気象条件との関係を調査した.葯基部の裂開と受粉の安定性との間には高温弱風条件下で相関関係が認められたが,葯長部の裂開と受粉の安定性との間には相関が認められなかった.本年度の夏は,しばしば高温に見舞われ,一部の品種に受精の低下が認められたが,受粉と受精との間には有意な相関が認められなかった.この結果は,受精に必要な花粉数が,品種により異なることを示していた.気象条件と受粉の安定性については,昨年度に引き続き,風速と受粉の安定性との間に相関が認められた.供試品種の中には,穂の蒸散コンダクタンスが大きく異なる品種が含まれていたが,調査した環境では穂温に品種間差異は認められなかった.
2. 長江中流域の水田圃場でスーパーライスを用いて均一なイネ群落を形成し,ポット栽培した開花中のイネを2段階の高さに配置し,受精率,受粉を比較することで,群落内の穂の高さが受精受粉に与える穎急を検討した.昨年同様,低い位置の穂は,受粉が不安定で,受精率は低かった.しかしながら,開花時に振動を与えることにより,受粉は安定し,受精率は回復した.このことから,低い穂は風による振動がないために受粉が不安定になり,受精率が低下すると判断した.この結果は,多収のために上位葉を長くし,穂を低くするスーパーライスにみられるような草型の改良は,高温不稔の発生を助長することを示していた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Heat-inducedfloret sterility of hybrid rice (Oryza sativa L.) cultivars under humid and low wind conditions in the field of Jianghan Basin, China.2010

    • 著者名/発表者名
      Tian, X.,_Matsui, T., Li, S., Yoshimoto, M., Kobayasi, K., Hasegawa. T
    • 雑誌名

      Plant Production Science

      巻: 13 ページ: 243-251

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Traits responsible for variation in pollination and seed set among six rice cultivars grown in a miniature paddy field with free air at a hot, humid spot in China.2010

    • 著者名/発表者名
      Zhao, L., Kobayasi, K., Hasegawa, T., Wang, C., Yoshimoto, M., Wan, J., Matsui, T
    • 雑誌名

      Agriculture Ecosystems & Environment

      巻: 139 ページ: 110-115

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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