研究概要 |
国内の切りバラ生産における生産コストの低減と生産性の向上を図るために,主要病害である根腐病と根頭がんしゅ病に対する抵抗性台木の育成を目的として実施した。 4倍性Rosa multiflora×PEKcougelの交配では2645花に交配を行い,1202果が結実し,2081個の種子を得た。同様にPEKcougel×4倍性Rosa multifloraの交配では85花に交配し,80果の結実,412個の種子が得られた。未熟胚培養と成熟胚培養の手法を導入して成長点組織の座死の回避を試みた。成熟胚培養では、MS培地+GA_310^<-6>Mの培地(ショ糖3%、ジェランガム0.2%、pH5.7)からMS培地+BPA10^<-5>M+GA_3 10^<-6>Mの培地(ショ糖3%、ジェランガム0.2%、pH5.7)で継代培養することで、50個体中4個体の交雑個体が維持できている。平成19年度までに得られたF1個体についてプロイディーアナライザーを用いて倍数性を確認した結果,F1個体は3倍体であった。PEKcougelとRosa multifloraの特異的プライマーの開発については,PEKcougelにおいてKSN gene detect; 1.2kbプライマーが使用可能であったが,Rosa multifloraについては,Rosa multifloraが交配親として用いられている20品種およびRosa multifloraとの血縁がない7品種を用いて10merランダムプライマー300種類を用いてRAPD分析を行い,Rosa multiflora特異的なバンドを形成するプライマーOPAK16を特定し、形成された800bpのバンドの塩基配列から独自のプライマーOPAKM1を設計した。
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