研究概要 |
バラ根頭がんしゅ病抵抗性品種のR.'PEKcougel'とバラ根腐病抵抗性品種のR.multiflora 'Matsushima No.3'との交雑種子の発芽後の致死を回避する方法を検討した.交雑個体を37℃の高温条件下で育苗する方法では常温で育苗した時と同じ褐変症状が現れ,生存個体を得ることができなかった.未熟胚からの不定胚培養では6個体の不定胚様組織が形成されたが,その後生育を停止し,交雑個体を得ることができなかった.成熟胚直前に発育した胚を培地上で通常発芽させる方法では6個体の生存個体を獲得できた.これらの6個体の雑種判定を行った結果,3個体が4倍体の交雑個体であることが明らかとなった.QTL解析による'Matsushima No.3'のバラ根腐病抵抗性遺伝子の探索に必要な罹病性の2倍体品種を見つけるために,R.rugosaのバラ根腐病抵抗性検定を行った結果,R.rugosaは罹病性品種のR.'Nakashimagl'と同等の発病度を示し,根腐病に対して罹病性であることが明らかとなった.根腐病罹病性のR.rugosaと抵抗性の'Matsushima No.3'との交配を行い,446個体の種子を獲得した.今後この種子から多数のF1個体を獲得し,QTL解析を行う予定である.昨年に得られたR.multiflora特異的マーカーOPAKM1の特異性の検証を行った結果,R.multifloraと血縁度50%であるR.'The Galand'でバンドが形成されなかった.R.'The Garland'の来歴を調査した結果,R.multifloraと血縁関係担い可能性が推定された.R.multiflora特異的マーカーOPAKM1とは異なる新たなR.multiflora特異的マーカー作製を検討した.
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