研究概要 |
酸性インベルターゼ(AIV)をコードする遺伝子PpAIV2が成熟期のスクロース代謝において重要であり、PpAIV2の品種間のゲノム構造の差異および遺伝子の発現解析を行った。供試したニホンナシ35品種において、4kbおよび3kb付近に位置するバンドは中・低蓄積型の品種に特異的に検出され、高蓄積型の品種には全く見られないことを発見した。そこで,PCRを用いたより簡便なCAPSマーカーを開発する目的で、ゲノムライブラリーを作成し,プロモーター領域を含む10kb以上の領域のシーケンスを行った。シーケンス結果からプロモーター領域を増幅するようにプライマーを構築し,増幅断片を恥EcoRIで消化するCAPS法を用いて,シュクロース低・中・高蓄積型の31品種のバンドパターンを検定した.CAPS法の結果は,ゲノムのサザン解析の結果とすべて一致した.したがって,これら二つのバンドはスクロース低蓄積型判別マーカーとして利用できることが明らかとなった。またナシ自殖F2集団('おさ二十世紀'X'マックスレッドバートレット')を約500個体育成し、約200SSRマーカー以上が、実際F2個体でもマーカーは分離し、利用可能であることが明らかとなった。さらに次世代シーケンサーを用いたEST解析から、1000以上のSNPをニホンナシとセイヨウナシ間で見いだした。
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