研究課題/領域番号 |
20380021
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
板井 章浩 鳥取大学, 農学部, 准教授 (10252876)
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研究分担者 |
児玉 基一朗 鳥取大学, 農学部, 教授 (00183343)
山本 俊哉 (独)農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所, 果樹ゲノムチーム長 (60355360)
村山 秀樹 山形大学, 農学部, 教授 (40230015)
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キーワード | ナシ / SNP / ショ糖 / 良食味 / マイクロアレイ / 次世代シークエンサー / MAS |
研究概要 |
本研究課題は、ナシにおいて、果実の品質の重要な決定因子である味などの有用形質および病害抵抗性に関するマーカー開発を行い、MAS(Marker Assisted Selection)で育種現場で実際に適用し、新品種開発に役立てることを目的として研究を行った。これまで酸性インベルターゼ(AIV)をコードする遺伝子PpAIV2のゲノミックサザン解析により、4.4kbおよび3.3kb付近に位置するバンドが、ショ糖含量が中・低蓄積型の品種に特異的に検出されることを見いだしていたが、このマーカーをPCR利用の簡便なAFLPマーカーに変換することに成功した。このマーカーを用いて、実際のニホンナシ育種集団への適応性を検定し、ショ糖含量の多少と一致することを確認した。またニホンナシ100品種以上のAIV2遺伝子型を決定した。ショ糖含量が高蓄積型になる品種においては、ショ糖合成の鍵酵素であるショ糖リン酸合成酵素(PPSPS1)遺伝子が重要であるが、この遺伝子のプロモーターには大きな品種間差異が見られることを発見した。さらにマイクロアレイ解析により、果実肥大が優れる品種および単為結果性を示す品種において発現の様相が大きく異なる遺伝子を同定した。これらの遺伝子の中には、転写因子群が含まれ、今後果実サイズおよび単為結果性のマーカー開発が可能になってくると思われる。病害抵抗性のマーカー開発は,黒星病および黒斑病でより病原性遺伝子近傍に連鎖したSSRマーカーが得られ、このニホンナシの2大病害抵抗性品種開発が高確率で可能になった。ニホンナシ及びセイヨウナシ品種より次世代シーケンサーを用いたゲノム配列の取得を行い、配列比較解析から、多数のSNPをニホンナシとセイヨウナシ間で見いだした。
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