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2010 年度 実績報告書

潜在性ウイルスを利用した新規RNAサイレンシング誘導ベクターの開発とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 20380025
研究機関岩手大学

研究代表者

吉川 信幸  岩手大学, 農学部, 教授 (40191556)

キーワードALSV / ウイルスベクター / ウイルス誘導ジーンサイレンシング / 遺伝子機能解析 / バラ科果樹
研究概要

昨年度までに、リンゴ小球形潜在ウイルス(ALSV)ベクターがマメ科植物(ダイズ、エンドウ、アズキ、ササゲ)、ウリ科植物(キュウリ、メロン、スイカ、ズッキーニ、トウガンなど)、およびナス科植物(トマト、ジャガイモ)などの栽培植物で効率良く、安定的に内在性遺伝子のサイレンシングを誘導するベクターであることが明らかにした。また、ALSVベクターがタバコやシロイヌナズナの病害抵抗性遺伝子の解析に利用できることを明らかにした。
平成22年度は、ALSVベクターを用いたバラ科果樹でのVIGS実験系を確立する目的で,リンゴ実生苗へのウイルス接種法を検討し,続いてALSVベクターによるリンゴおよびナシの内在性遺伝子のVIGS誘導を行った。感染葉から抽出したALSV-RNAをパーティクルガン法でリンゴ実生苗に接種した結果,ほぼ100%の感染率を得ることができた.次に,リンゴのルビスコ小サブユニット(rbcS)遺伝子の一部をALSVベクターに組み込み、ウイルス化した後,パーティクルガン法でリンゴおよびニホンナシ実生苗に接種した.その結果,接種後約2週間からrbcS-ALSV接種個体では葉の退緑と矮化,actin-ALSV接種個体では葉の奇形が観察された.rbcS-ALSV接種リンゴ葉のRNA分析では,rbcS-mRNAの著しい減少とrbcS-siRNAの生成が認められた.以上から,ALSVベクターはリンゴおよびニホンナンシのVIGS誘導ベクターとして利用できることが明らかになった.なお、バラ科果樹類での効率的にVIGSを誘導できるウイルスベクターはALSVが初めてで、今後、リンゴなどの遺伝子機能解析のための強力なツールとして利用できると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Seed and pollen transmission of Apple latent spherical virus in apple2011

    • 著者名/発表者名
      Nakamura, K., Yamagishi, N., Isogai, M., Komori, S., Ito, T., Yoshikawa, N.
    • 雑誌名

      Journal of General Plant Pathology

      巻: 77 ページ: 48-53

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Promotion of flowering and reduction of a generation time in apple seedlings by ectipical expression of the Arabidopsis thaliana FT gene using the Apple latent spherical virus vector2011

    • 著者名/発表者名
      Yamagishi, N.sasaki, S., Yamagata, K, Komori, S., Nagase, M., Wada, M., Yamamoto, T., Yoshikawa, N.
    • 雑誌名

      Plant Molecular Biology

      巻: 75 ページ: 193-204

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 植物ウイルスベクターを用いた遺伝子機能解析ツールとしてのウイルス誘導ジーンサイレンシング2010

    • 著者名/発表者名
      山岸紀子・吉川信幸
    • 雑誌名

      ウイルス

      巻: 60 ページ: 155-162

  • [学会発表] バラ科果樹での効率的なウイルス誘導ジーンサイレンシング(VIGS)2011

    • 著者名/発表者名
      山岸紀子・佐々木慎太郎・吉川信幸
    • 学会等名
      日本植物病理学会
    • 発表場所
      東京農工大
    • 年月日
      2011-03-28
  • [図書] Virus-induced gene silencing of endogenous genes and promotion of flowering in soybean by apple latent spherical virus-based vectors.pp.43-56.In Sovbean-Molecular Aspects of Breeding.A.Sudaric ed.2011

    • 著者名/発表者名
      Yamagishi, N., Yoshikawa, N.
    • 総ページ数
      526
    • 出版者
      InTech

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公開日: 2012-07-19  

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