研究課題
「研究の目的」(1)Pseudomonas cichoriiのPathogenicity island(PAI)の全領域を特定し、その塩基配列を基に、他細菌の相同遺伝子あるいは領域の系統進化を明らかにする。(2)PAIの中からナスに対する病原性に関わる遺伝子を特定し、それらの機能を生化学的、分子遺伝学的に解明する。(3)病原性遺伝子と相同性を示す他細菌の遺伝子のP.cichoriiの病原性に関する相補性について解析し、これら遺伝子の病原性に関わる機能の細菌間での多様性(保存性)について明らかにする。(4)宿主植物におけるPCD誘導シグナル伝達系への病原性遺伝子の関与について明らかにする。(5)P.cichoriiのキク科植物に対する病原性の分化とキク科植物の系統進化との関係を解明する。「研究の成果」1.PAIの同定と網羅的機能の網羅的解析hrp遺伝子群を含むPAIを特定し、その塩基配列を明らかにした。さらに、病原性に直接関与するPAI内の遺伝子を分子遺伝学的手法により明らかにした。これら遺伝子の中で、とくに、aldhに着目し、相同遺伝子を、他のPseudomonas属細菌から単離し、それら間の分子系統学解析を行うとともに、P.cichoriiの病原性に対する相補性について解析を行い、aldhが、P.viridiflavaのBSタイプの菌株のPAIと共通の祖先から水平伝搬により、P.cichorii獲得したことを明らかにした。2,PAIの塩基配列解析と相同性解析キク科植物の分子系統解析を、ndhFとrbcLの塩基配列を基に行うとともに、これら植物に対するP.cichoriiの病原性とaldhのこれら植物に対する病原性への関与について解析を行い、キク科植物の種分化が確立した後、キク科植物に対するaldhの病原性への関与が決定したことを明らかにした。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (14件)
J. Bacteriol. (印刷中)
J. Gen. Plant Pathol. (印刷中)
Microbiology 154
ページ: 2920-2928
Plant Pathology 58
ページ: 159-169
J. Plant Physiol. 165
ページ: 1757-1773
Appl. Environ. Microbiol. 74
ページ: 5841-5844
