1.「研究の目的」 (1)Pathogenicity island (PAI)に含まれる病原性遺伝子のPseudomonas属細菌のhomologueの機能解析 (2)PAIに含まれる病原性遺伝子の産物の病徴発現に及ぼす影響 (3)P.cichoriiのキク科植物に対する病原性解析 2.「研究の成果」 (1)PAIに含まれる病原性遺伝子のPseudomonas属細菌のhomologueの機能解析 hrpに隣接するaldehyde dehydrogenase遺伝子(aldh)とphosphinorthiricin N-acetyltransferase遺伝子(pat)が、hrpとともにP.cichoriiのナスに対する病原性に関与しており、aldHはPseudomonas属細菌間で、patはP.viridiflavaのS-PAIと機能的な保存性を有することを明らかにした。 (2)PAIに含まれる病原性遺伝子の産物の病徴発現に及ぼす影響 AldHタンパク質はP.cichoriiの細胞質に存在し、アルデヒド脱水酵素活性を有していることを明らかにした。Patタンパク質はP.cichoriiの外膜に存在し、植物におけるP.cichoriiの増殖に関与することを明らかにした。また、aldHとpatの発現はhrpレギュロンの制御下にはなく、いずれのタンパク質もP.cichoriiの運動能に関与しており、クオラムセンシングの支配下にあると考えられた。 (3)P.cichoriiのキク科植物に対する病原性解析 キク科植物の種の分化後、それぞれの種ごとに、hrp、aldHおよびpatそれぞれを関与させながら、P.cichoriiは病原性を分化させたことが明らかとなった。
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