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2010 年度 実績報告書

エポキシ性フェロモンの生合成とその制御に関する分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20380031
研究機関東京農工大学

研究代表者

安藤 哲  東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (50151204)

キーワード応用昆虫 / 生物制御化学 / 生理活性物質 / 生合成 / 蛾類性フェロモン / ポリエン炭化水素 / リノレン酸 / エポキシ化酵素
研究概要

性フェロモンを害虫防除に直接利用することに加え、その生産を撹乱することで昆虫の雌雄間の交信を制御し、次世代の増殖を抑制することが考えられる。そのためには、生合成過程の詳細なメカニズムを解明する必要があり、これまでカイコなどを材料に研究が展開されてきた。一方、シャクガやヒトリガなど進化したガ類昆虫では、末端の官能基を含まない構造上の特色を有する化合物(不飽和炭化水素およびそのエポキシ誘導体)が性フェロモンとして利用されており、その生産様式もかなり異なることがわかってきた。本研究ではそれらの性フェロモンに注目し、生合成経路とそれに関わる酵素の諸性質を明らかにすることを目的として研究を行った。
1) アメリカシロヒトリの性フェロモン生合成経路:標識前駆体を用いて、アルデヒド2成分はアルコールから、エポキシ2成分は不飽和炭化水素から、フェロモン腺に存在する異なる酸化酵素の働きで生合成されることを実証するとともに、その基質特異性を明らかにした。
2) エポキシ化酵素の同定:エポキシ化酵素の実体を明らかにすべく、フェロモン腺で発現している遺伝子のライフラリーの作成を行った。得られた遺伝子群の中からその数個の候補を絞り込むことができ、今後行う機能解析により遺伝子の同定は完了する。
3) アオシャク類のフェロモンの同定:12-位に二重結合を含む新規ポリエン化合物は多くのアオシャク類の主要な性フェロモン成分であることがわかった。それらを前駆体とするエポキシ化物を分泌する種の存在が考えられたため、多数のモノエポキシ体を系統的に合成し、新規エポキシ成分の同定に役立つ分析データを集積した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Biosynthetic pathways of the sex pheromone components and substrate selectivity of the oxidation enzymes working in pheromone glands of the fall webworm, Hyphantria cunea.2011

    • 著者名/発表者名
      R.Kiyota, M.Arakawa, R.Yamakawa, A.Yasmin, T.Ando
    • 雑誌名

      Insect Biochemistry and Molecular Biology

      巻: 41 ページ: 362-369

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Novel components of the sex pheromones produced by emerald moths : identification synthesis, and field evaluation.2011

    • 著者名/発表者名
      R Yamakawa, N.D.Do, M.Kinjo, Y.Terashima, T.Ando
    • 雑誌名

      Journal of Chemical Ecology

      巻: 37 ページ: 105-113

    • 査読あり
  • [雑誌論文] フェロモンの化学2010

    • 著者名/発表者名
      安藤哲
    • 雑誌名

      化学と教育

      巻: 58 ページ: 254-257

  • [学会発表] ウメエダシャクが分泌する性フェロモンの同定2011

    • 著者名/発表者名
      田久保賀子、山川玲、中秀司、安藤哲
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      大会講演要旨集の発刊による
    • 年月日
      2011-03-05
  • [図書] 日本の鱗翅類2011

    • 著者名/発表者名
      駒井古実, 等編
    • 総ページ数
      1305
    • 出版者
      東海大学出版会

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公開日: 2012-07-19  

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