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2008 年度 実績報告書

核多角体病ウイルス感染細胞が発動する全タンパク質合成停止の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 20380034
研究機関名古屋大学

研究代表者

池田 素子  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (20262892)

研究分担者 小林 迪弘  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60111837)
キーワード核多角体病ウイルス / 昆虫培養細胞 / 全タンパク質合成停止 / 生体防御機構 / リボソームRNA分解
研究概要

アメリカシロヒトリ核多角体病ウイルス(NPV)をカイコ由来のBmN細胞に感染させると,全タンパク質合成停止が誘導され,ウイルスは不全感染となる.この全タンパク質合成停止機構を明らかにする目的で,感染細胞におけるRNAの分解に注目して研究を行った.まず,ウイルス感染細胞から定量的にRNAを抽出する方法を検討し,続いて,アメリカシロヒトリNPV感染にともなうBmN細胞のtotal RNA量の変動を調査した.その結果,感染の初期段階にBmN細胞のtotal RNA量は急激に減少することを示した.次に,キャピラリー電気泳動装置MultiNAを用いてtotalRNAの電気泳動パターンを解析した.その結果,感染後0時間の細胞から抽出したRNAは,約2000ntの位置にメジャーな太いバンドとして検出され,バンドのサイズとRNA全体に占める割合から,このバンドがrRNAであると判断した.カイコNPVの感染細胞においては,rRNAのバンドは感染後24時間においても変化なく,感染を通して一定に検出された.一方,アメリカシロヒトリNPV感染細胞では,rRNAのバンドは感染後4時間から減少が認められ,感染後48時間ではほとんど検出できないレベルまで減少した.さらに,感染後8時間から,約1500ntの位置にバンドが検出され,rRNAが断片化を経て分解されることが明らかとなった.ウイルス感染による細胞のRNAの分解がNPVに一般化できる現象であるかどうかを知るため,様々な昆虫細胞と各種NPVの組み合わせで感染実験を行い,感染細胞におけるRNAの動態を調査した結果,アメリカシロヒトリNPV以外にもAutographa californica NPV感染によって,同様のrRNA分解が誘導されることを明らかにした.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Susceptibility of newly established cell lines from Helicoverpa armigera to homologous and heterologous nucleopolyhedrovi ruses.2008

    • 著者名/発表者名
      Ogembo, J. G., et al.
    • 雑誌名

      J. Insect Biotechnol. Sericol. 77

      ページ: 25-34

    • 査読あり
  • [学会発表] LdMNPV宿主域決定因子HRF-1の機能解析2008

    • 著者名/発表者名
      池田素子, 小林迪弘
    • 学会等名
      第8回昆虫病理研究会シンポジウム
    • 発表場所
      人材開発センター富士研修所(山梨県富士吉田市)
    • 年月日
      20080911-20080913

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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