Cryトキシンをオーダーメイド化するための基礎研究

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20380036
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 応用昆虫学
• 研究機関: 岡山大学
• 研究代表者: 早川 徹 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (30313555)
• 連携研究者: 酒井 裕 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60089117)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2011
• キーワード: Bacillus thuringiensis / 殺蚊トキシン / Cry4Aa / 遺伝子組換え / 害虫防除

研究概要

本研究では受容体結合部位に関する機能構造解析を進め、殺蚊トキシンCry4Aaのループが改変可能であること、殺虫にはこれらが補完・協調する形で関与することを示唆した。またランダムなアミノ酸配列を含む変異体ライブラリーから新しいタイプと考えられる変異体を選抜した。Cryトキシンと併用しうる防除資材を探索すると共に、タンパク質をアルカリ可溶性の凝集体として生産できる画期的なペプチドタグ、4AaCterの開発にも成功した。

研究成果

• [雑誌論文] Mutational analyses of Cry protein block 7 polypeptides that facilitate the formation of protein inclusion in Escherichia coli. (2011)
  • 著者名/発表者名: Hayakawa T., Shimizu Y., Ishida T., Sakai H.
  • 雑誌名: Applied Microbiology and Biotechnology 巻: 90(6) ページ: 1943-1951
  • 査読あり
• [雑誌論文] Novel strategy for protein production using a peptide-tag derived from Bacillus thuringiensis Cry4Aa. (2010)
  • 著者名/発表者名: Hayakawa T., Sato S., Iwamoto S., Sudo S., Sakamoto Y., Yamashita T., Uchida M., Mtsushima K., Kashino Y., Sakai H.
  • 雑誌名: FEBS Journal 巻: 277 ページ: 2883-2891
  • 査読あり
• [雑誌論文] Alanine scanning analyses of the three major loops in domain II of Bacillus thuringiensis mosquitocidal toxin Cry4Aa (2010)
  • 著者名/発表者名: Howlader M. T. H., Kagawa Y., Miyakawa A., Yamamoto A., Taniguchi T., Hayakawa T., Sakai H.
  • 雑誌名: Applied and Environmental Microbiology 巻: 76(3) ページ: 860-865
  • 査読あり
• [雑誌論文] Biological properties of loop-replaced mutants of Bacillus thuringiensis mosquitocidal Cry4Aa (2009)
  • 著者名/発表者名: Howlader M. T. H., Kagawa Y., Sakai H., Hayakawa T.
  • 雑誌名: Journal of Bioscience and Bioengineering 巻: 108(3) ページ: 179-183
  • 査読あり
• [雑誌論文] Design and construction of a synthetic Bacillus thuringiensis Cry4Aa gene : Hyperexpression in Escherichia coli (2008)
  • 著者名/発表者名: Hayakawa T., Howlader M. T. H., Yamagiwa M., Sakai H.
  • 雑誌名: Applied Microbiology and Biotechnology 巻: 80(6) ページ: 1033-1037
  • 査読あり
• [学会発表] BT菌由来の新規なペプチドタグは効率的なタンパク質生産を可能にする (2011)
  • 著者名/発表者名: 酒井裕(早川徹)
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-12-13
• [学会発表] 昆虫特異的Cryトキシンの新しい利用法-タンパク質を凝集体として発現・蓄積させる新規なペプチドタグの開発- (2011)
  • 著者名/発表者名: 早川徹(酒井裕)
  • 学会等名: 第84回日本生化学会大会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2011-09-22
• [学会発表] ドメインIIのループ構造は殺蚊トキシンCry4Aaの活性に関与するか? (2011)
  • 著者名/発表者名: 早川徹(酒井裕)
  • 学会等名: 平成23年度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2011-03-21
• [学会発表] 殺蚊トキシンCry4Aaをオーダーメイド化する試み-ランダム変異を導入した変異体ライブラリーの構築- (2011)
  • 著者名/発表者名: 小野雄佑(酒井裕)
  • 学会等名: 日本農芸化学会中四国支部第29回講演会
  • 発表場所: 徳島
  • 年月日: 2011-01-22
• [学会発表] BT菌由来のペプチドをタグとして利用した効率的なタンパク質の生産システム-凝集体形成に必要なアミノ酸配列の特徴- (2010)
  • 著者名/発表者名: 酒井裕(早川徹)
  • 学会等名: 第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-12-09
• [学会発表] 殺蚊トキシンCry4Aaの殺虫機構におけるドメインIIループの重要性 (2010)
  • 著者名/発表者名: 早川徹(酒井裕)
  • 学会等名: 第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-12-09
• [学会発表] Innovative strategy for efficient protein production using a novel peptide tag derived from Cry toxin (2010)
  • 著者名/発表者名: Sakai H.(Hayakawa T.)
  • 学会等名: OzBio2010, Melbourne Convention and Exhibition Centre
  • 発表場所: Melbourne, Australia
  • 年月日: 2010-09-27
• [学会発表] Conserved Block7 sequence of Bacillus thuringiensis Cry toxins (2010)
  • 著者名/発表者名: Hayakawa T.(Sakai H.)
  • 学会等名: The innovational peptide-tag for efficient protein production-OzBio2010, Melbourne Convention and Exhibition Centre
  • 発表場所: Melbourne, Australia
  • 年月日: 2010-09-27
• [学会発表] Mutational analyses of loops in Domain II of Bacillus thuringiensis mosquitocidal Cry4Aa toxin (2010)
  • 著者名/発表者名: Hayakawa T.(Sakai H.)
  • 学会等名: 43^<st> Annual Meeting of the Society for Invertebrate Pathology
  • 発表場所: Karadeniz Technical University, Trabzon-Turkey
  • 年月日: 2010-07-12
• [学会発表] 蛋白質クリスタル形成機能を利用した新規な蛋白質生産 (2010)
  • 著者名/発表者名: 酒井裕(早川徹)
  • 学会等名: 日本農芸化学会2010年度大会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2010-03-29
• [学会発表] ドメインIIのループ構造を標的とした高活性型Cry4Aa変異体構築の試み (2009)
  • 著者名/発表者名: 早川徹(酒井裕)
  • 学会等名: 第32回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 日本分子生物学会年会、横浜
  • 年月日: 2009-12-12
• [学会発表] タンパク質をクリスタルとして効率的に発現させるポリペプチドタグ4AaCterの解析-クリスタル化における保存配列Block 7の役割- (2009)
  • 著者名/発表者名: 酒井裕(早川徹)
  • 学会等名: 第32回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 日本分子生物学会年会、横浜
  • 年月日: 2009-12-12
• [学会発表] 蛋白質のクリスタル形成機能を有するポリペプチドの探索 (2009)
  • 著者名/発表者名: 酒井裕(早川徹)
  • 学会等名: 2009年度日本農芸化学会関西・中四国・西日本支部、日本栄養・食糧学会九州・沖縄支部及び日本食品科学工学会西日本支部合同沖縄大会
  • 発表場所: 那覇
  • 年月日: 2009-10-31
• [学会発表] Cry4Aaループ2の改変による新たな殺虫活性を示す変異体の構築 (2009)
  • 著者名/発表者名: 小野雄佑(酒井裕)
  • 学会等名: 日本農芸化学会中四国支部第24回講演会
  • 発表場所: 松江
  • 年月日: 2009-05-23
• [学会発表] 大腸菌におけるクリスタル化を利用した異種蛋白質の効率的生産 (2009)
  • 著者名/発表者名: 酒井裕(早川徹)
  • 学会等名: 日本農芸化学会2009年度大会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2009-03-28
• [学会発表] Cry4AaのドメインIIに位置する代表的な3つのloop構造の解析 (2009)
  • 著者名/発表者名: Howlader, M. T. H.(酒井裕)
  • 学会等名: 平成21年度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2009-03-21
• [学会発表] 難発現性蛋白質を大腸菌で高発現させる簡便な技術の開発(その1)-Bacillus thuringiensis Cry4Aaトキシンに由来する画期的なタグの利用- (2008)
  • 著者名/発表者名: 早川徹(酒井裕)
  • 学会等名: 第31回日本分子生物学会年会、第81回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2008-12-10
• [学会発表] Cry4Aaの受容体結合部位と考えられるDomain II loop構造への変異導入とその解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 賀川泰裕(酒井裕)
  • 学会等名: 第31回日本分子生物学会年会、第81回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2008-12-10
• [学会発表] Loop2 in Cry4Aa domain II, but not loops 1 and 3, is essential for the mosquitocidal activity against Culex pipiens (2008)
  • 著者名/発表者名: Howlader M. T. H.(Hayakawa T.)
  • 学会等名: 41^<st> Annual Meeting of the Society for Invertebrate Pathology
  • 発表場所: University of Warwick, UK
  • 年月日: 2008-08-04
• [図書] 応用生物学入門 (2010)
  • 著者名/発表者名: 早川徹, 他
  • 総ページ数: 87-103
  • 出版者: オーム社
• [図書] 分子昆虫学-ポストゲノムの昆虫研究 (2009)
  • 著者名/発表者名: 早川徹, 他
  • 総ページ数: 261-266
  • 出版者: 共立出版
• [備考]
  • URL: http://www.biotech.okayama-u.ac.jp/labs/bt/field5sakai.html
• [産業財産権] タンパク質製造方法、融合タンパク質及び抗血清 (2010)
  • 発明者名: 酒井裕、早川徹
  • 権利者名: 国立大学法人岡山大学、有限会社ジャパンラム
  • 産業財産権番号: 特許、特許第4604231号
  • 取得年月日: 2010-10-15