研究課題
イネに5種あるRRCS遺伝子のうち第12染色体に座乗する4分子種の相同性が高く(シグナルペプチド配列を除くアミノ酸配列では完全に同一)、発現量もその4種が圧倒的に高かった。各器官別発現量は葉身ではOsRBCS3の発現量が多く、続いておおよそOsRBCS94、OsRBCS5、OsRBCS2の順であった。葉鞘でのOsRBCS2の発現量は非常に少なかった。第1染色体に座乗するOsRBCS1の発現は各器官で非常に少ないものであったが、葉鞘・茎では僅かに認められた。逆に非緑色組織の根ではOsRBCS1のみ発現が認められ、他の分子種の発現は認められなかった。しかし、totalのRRCSの発現量では、当然、葉身で圧倒的に多いのもであった。RNAi形質転換体は作製中で、得られた当代について解析を行った。現在の段階ではwild-typeイネにおいて発現量が相対的に少なかったOsRBCS2とOsRBCS5のRNAi形質転換体の中にはRubiscoタンパク量が減少している系統は見つかっていない。それに対して、もっとも発現量の多いOsRBCS3のRNAi形質転換体で、Rubiscoタンパク量が20から30%減少したものが数系統、OsRBCS4の転換体ではRubiscoタンパク量が10から20%減少したものが数系統独立して得られている。さらなる解析が必要とされる。OsRBCS1とOsRBCS3の遺伝子破壊系統に関してPostechから入手、現在4葉期まで成長している。これらについては、今後、コピー数、分子種別とtotalのmRNA量およびRubiscoタンパク質量の定量や光合成測定など等の基礎的なデータを得ていく予定である。
すべて 2009
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