腐植物質の平均化学構造モデルを構築してその環境中における安定化機構を解明するために、フミン酸の構造単位特に縮合芳香族成分組成、官能基組成の各種分析法を導入し、腐植化度、^<14>C年代との関係を解析した。X線回折(XRD)プロファイルの11バンド解析により、ベンゼン環数4~37に相当する0.24~1.68nmのC網面の存在とそれらの量および平均サイズが腐植化度、芳香族C含有率の増大に伴って増大することを明らかにした。また、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析を用いて鎖状および網状縮合芳香族酸11~69と最大24のビフェニル型化合物を見出し、それらの種類および量と腐植化度との相関関係を明らかにした。^<14>C年代との関係から、ペリレン環以上の縮合芳香環の濃縮がフミン酸の構造的安定性の獲得に寄与していることが明らかとなった。また、PASSパルス系列を導入することで固体^<13>C NMRスペクトルによるC官能基組成解析の定量性の向上を可能にした。
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