研究課題/領域番号 |
20380057
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
姫野 俵太 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (80208785)
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研究分担者 |
武藤 あきら 弘前大学, 農学生命科学部, 研究員 (80034635)
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キーワード | tmRNA / trans-translation / ribosome / molecular mimicry / SmpB / translation |
研究概要 |
トランス・トランスレーションは、情報分子mRNAと情報を読みとる分子tRNAの両方の機能を果たすキメラ分子tmRNAの働きにより、停滞した翻訳を解消し、結果として2本の情報分子から1本のキメラペプチドを合成する変則的翻訳システムである。そして、この変則的翻訳により生じた異常タンパク質に分解の目印を与える。本研究は、我々が新しく提案した「tmRNA結合タンパク質がtRNAおよびmRNAを分子擬態する」という新しい概念に基づいて、この変則的翻訳システムの分子メカニズムの解明を目指すものである。 1. 翻訳因子(リボソーム、Phe-tRNA^<Phe>、mRNA、EF-Tu、EF-G)ならびにトランス・トランスレーション関連因子(Ala-tmRNA、SmpB)を用いて、トランス・トランスレーションの第1ステップ(Ala-tmRNAとSmpBがA部位にあり、ペプチド転移直後の状態芝および第2ステップ(Ala-tmRNAとSmpBがP部位にあり、トランスロケーション直後の状態)における中間体の作成に成功した。 2. SmpBのC末端領域(mRNAを分子擬態する部分)に様々な変異を導入し、ステップごとの反応速度に与える効果を解析した。C末端領域を欠失させると、欠失させた長さに応じて第1ステップおよび第2ステップにおける反応速度がいずれも低下した。C末端領域(133-160)に1アミノ酸置換を導入したところ、147番目のトリプトファン残基を置換させると第1ステップにおける反応速度が著しく低下し、その一方で第1ステップにおける反応速度はほとんど低下しなかった。
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