研究課題
サーモライシン(TLN)のS1を構成するF114に変異を導入した。正電荷を導入したF114K、F114Rについて、P1サブサイト(P1)に負電荷を有する基質N-carbobenzoxy-D-F methyl ester (ZDFM)分解活性を調べた。F114Kは野生型TLN(WT)の4%、F114Rは10%に低下し、S1-P1間の静電的相互作用はみられなかった。F114を非極性基(A、V、I、L)に置換したところ、カゼイン分解活性はWTと同等であったが、ZDFM分解活性はWTの20%以下、Furylacryloyl-G-L-amide (FAGLA)分解活性は50%以下に減少した。ZDFM分解活性の減少はkcatの低下に起因した。酸化インスリンB鎖を用いてF114変異体の基質特異性を調べたところ、WTと同様であった。S1'を構成するL202に変異を導入した。荷電性基(D、E、R、K)に置換した変異体を用いて酸化インスリンB鎖を分解したところ、WTによる切断個所以外にL-V-C(SO3H)-G-E-R-Gから成るペプチド断片を速やかに分解した。またL202K、L202RはともにZDFM分解活性がWTの3.5倍に増大した。202位に導入した荷電性基がP1'だけでなくP1の荷電性基とも静電的相互作用するものと考えられる。L202をA、Vに置換した変異体について、Furylacryloyl-A-F-amide(FAAFA)、FAGLA、ZDFM分解活性を比較した。これらはWTと比較してP1'残基にLよりもFを好んだ。S1'はポケット構造になっており、その空間を広げることでかさ高いFを認識しやすくなったと考えられる。Sl'を構成する残基に適当な変異を導入することで、荷電性基やサイズの異なる疎水性基の認識を向上させることができた。
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