サーモライシンの食品工業への利用性拡大を目的とした蛋白質工学と反応制御工学

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20380061
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 応用生物化学
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 井上 國世 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10223249)
• 研究分担者: 保川 清 京都大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (30397559)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 酵素化学酵素利用学

研究概要

サーモライシン(TLN)は中等度好熱菌Bacillus thermoproteolyticusが菌体外に生産する好熱性中性亜鉛プロテイナーゼである。TLNは加水分解の逆反応を利用してペプチドの合成に広く応用されてきた。本研究では、TLNの食品工業への利用性拡大を目的として、蛋白質工学と反応制御工学を用いてTLNの活性や安定性を増大させ、基質特異性を改変した。

研究成果

• [雑誌論文] Effects of site-directed mutagenesis of the loop residue of the N-terminal domain of Gly117 of thermolysin on its catalytic activity. (2011)
  • 著者名/発表者名: Menach, E., Yasukawa, K., Inouye, K.
  • 雑誌名: Biosci. Biotechnol. Biochem. 74 ページ: 2457-2462
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effects of the mutational combinations on the activity and stability of thermolysin. (2010)
  • 著者名/発表者名: Kusano, M., Yasukawa, K., Inouye, K.
  • 雑誌名: J.Biotechnol. 147 ページ: 7-16
  • 査読あり
• [雑誌論文] Synthesis of N-carbobenzoxy-Laspartyl-L-phenylalanine methyl ester catalyzed by thermolysin variants with improved activity. Enzyme Microb. (2010)
  • 著者名/発表者名: Kusano, M., Yasukawa, K., Inouye, K.
  • 雑誌名: Technol. 46 ページ: 320-325
  • 査読あり
• [雑誌論文] Insights into the catalytic roles of the polypeptide regions in the active site of thermolysin and generation of the thermolysin variants with high activity and stability. (2009)
  • 著者名/発表者名: Kusano, M., Yasukawa, K., Inouye, K.
  • 雑誌名: J.Biochem. 145 ページ: 103-113
  • 査読あり
• [学会発表] Regulation of the activity and stability of thermolysinby zinc and other divalent cations(シンポジウム:亜鉛タンパク質をキーワードにした異分野交流) (2011)
  • 著者名/発表者名: 井上國世、橋田泰彦
  • 学会等名: 2011年度日本農芸化学会大会
  • 発表場所: 京都女子大学
  • 年月日: 2011-03-28
• [学会発表] サーモライシンのLeu202への部位特異的変異導入による基質特異性の変化 (2011)
  • 著者名/発表者名: 兒島憲二、伊達明子、井上國世
  • 学会等名: 2011年度日本農芸化学会大会
  • 発表場所: 京都女子大学
  • 年月日: 2011-03-27
• [学会発表] サーモライシンの115位における芳香族性アミノ酸残基の必要性 (2011)
  • 著者名/発表者名: 樋爪彩子、兒島憲二、井上國世
  • 学会等名: 2011年度日本農芸化学会大会
  • 発表場所: 京都女子大学
  • 年月日: 2011-03-27
• [学会発表] サーモライシン(TLN)によるペプチド基質の加水分解反応における生成物の放出順序の決定 (2011)
  • 著者名/発表者名: 村山浩一、井上國世
  • 学会等名: 2011年度日本農芸化学会大会
  • 発表場所: 京都女子大学
  • 年月日: 2011-03-27
• [学会発表] サーモライシンの活性に対するLiClの添加効果 (2011)
  • 著者名/発表者名: 呉甸、兒島憲二、井上國世
  • 学会等名: 2011年度日本農芸化学会大会
  • 発表場所: 京都女子大学
  • 年月日: 2011-03-27
• [学会発表] 溶媒効果分光法によるThermolysin(TLN)のチロシン残基およびトリプトファン残基の存在状態の解析 (2010)
  • 著者名/発表者名: 村山浩一、井上國世
  • 学会等名: 2010年度日本農芸化学会関西支部大会
  • 発表場所: 近畿大学農学部
  • 年月日: 2010-10-03
• [学会発表] サーモライシンのS1サブサイトに存在するPhe114の役割 (2010)
  • 著者名/発表者名: 樋爪彩子、兒島憲二、橋田泰彦、井上國世
  • 学会等名: 第57回日本生化学近畿支部例会
  • 発表場所: 奈良先端科学技術大学院大学
  • 年月日: 2010-05-22
• [学会発表] 変異の組み合わせによるサーモライシンの活性と熱安定性の向上 (2009)
  • 著者名/発表者名: 草野正雪、保川清、井上國世
  • 学会等名: 第82回日本生化学会
  • 発表場所: 神戸ポートアイランド
  • 年月日: 2009-10-23
• [学会発表] サーモライシンの亜鉛配位性残基Glu166の改変がその触媒活性に及ぼす効果 (2009)
  • 著者名/発表者名: 福井善弘、橋田泰彦、井上國世
  • 学会等名: 第56回日本生化学近畿支部例会
  • 発表場所: 大阪医科大学
  • 年月日: 2009-05-23
• [図書] サーモライシンの応用と高機能化.産業酵素の応用技術と最新動向(井上國世、監修) (2009)
  • 著者名/発表者名: 井上國世、橋田泰彦、草野正雪、保川清
  • 総ページ数: 56-68
  • 出版者: シーエムシー出版、東京
• [備考] ホームページ等
  • URL: http://www.enzchem.kais.kyoto-u.ac.jp/