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2008 年度 実績報告書

異常な液胞化誘導を引き起こすビセニスタチンの標的分子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 20380065
研究機関筑波大学

研究代表者

臼井 健郎  筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (60281648)

キーワード液胞化 / 標的分子 / Chemical Biology
研究概要

ビセニスタチンは抗腫瘍活性を指標に単離された低分子化合物である。我々はビセニスタチンの作用機構を解析する過程で、本物質が動物細胞に対し巨大な液胞を急速に形成誘導することを見出した。このような急速な液胞化活性を有する化合物は例が無く、またその標的分子は小胞輸送や膜融合を制御する重要な分子であることが期待できる。本研究ではビセニスタチンの標的分子を同定し、その標的分子の生理機能を明らかにするとともに、抗腫瘍活性との関連について明らかにすることを目的として研究を行っている。今年度は特にエンドソームの輸送等に関係することが知られているボスファチジルイノシト一ルリン酸(PIP)系に着目し、検討を行った。これまでにPI(3)PをPI(3,5)P2へとリン酸化する酵素であるPIKfyveを阻害すると液胞化を誘導することが報告されている。そこでPIKfyve及びその活性化因子であるVacl4のクローニングを行った。HeLa細胞由来のcDNAよりそれぞれの遺伝子をクローニングしたところ、PIKfyveには少なくとも8種、これまで未報告のsplicing variantが存在することが明らかとなった。これらのsplicing variantのうち、全長及びPI(3)Pリン酸化ドメインを有する2種の合計3種、及びVacl4をHEK293T細胞にトランスフェクションしたところ、PIKfyve全長及びVacl4をトランスフェクションした細胞はビセニスタチンに対し耐性を示すことが明らかとなった。一方、膜局在、あるいはPI(3)P結合部位が欠失したsplicing variantをトランスフェクションした細胞は耐性を示さなかった。これらの結果からビセニスタチンの作用点がPI(3,5)P2よりも上流にあることが強ぐ示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Epoxyquinol B shows antiantiogenic and antitumor effects by inhi biting VEGFR2. EGFR. FGFR. and PDGFR.2008

    • 著者名/発表者名
      Kamiyama H, et al.
    • 雑誌名

      Oncology Research 17

      ページ: 11-21

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fungal metabolite, epoxyquinol B, crosslinks proteins by epoxy-thiol conjugation.2008

    • 著者名/発表者名
      Kamiyama H, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Antibiotics 61

      ページ: 94-97

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synthesis and biological activities of reveromycin A and spirofungin A derivatives.2008

    • 著者名/発表者名
      Shimizu T, et al.
    • 雑誌名

      Bioorganic Medicinal Chemistry Letters 18

      ページ: 3756-3760

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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