研究課題/領域番号 |
20380067
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西川 俊夫 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (90208158)
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研究分担者 |
安立 昌篤 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (80432251)
中崎 敦夫 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (00366428)
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キーワード | 有機合成 / ヘテロ環 / パクタマイシン / イソオキサゾリン / タゲチトキシン / アジリジン / C-グリコシル化 / アセチレン |
研究概要 |
平成23年度は主に以下2つのヘテロ環生理活性天然物の合成研究を展開した。 (1)植物毒素tagedtoxin:糖質D-ガラクタールを光学活性な原料として、まず、スズアセチレンによるC-グリコシル化によってアセチレン単位を導入した。次いで、8位のカーバメートを利用してアジリジンを合成し、酢酸によって6位水酸基を立体特異的に導入した。9位にexo-グリカール構造を合成し、spiro-エポキシ化とそのTMS-CNによる開環反応によって9位にニトリルを導入、tagetitoxinのすべての炭素骨格を有する中間体の合成に成功した。さらに、チオールを導入し、β-ヒドロキシアセチレンをジヒドロフランに変換、OsO_4によるジヒドロキシル化によってtagetitoxinと合成的に等価なα-ヒドロキシラクトンへと変換した (2)抗腫瘍抗生物質pactamycin:ジアセトン-D-グルコースから調製したアセチレンアルデヒドとN-フェニルヒドロキシアミンとの縮合によってナイトロンを合成し、分子内1,3-双極子付加反応を検討した。反応はトルエン還流下で進行したが、生成物はイソオキサゾリンではなく、Baldwin転位したアジリジンアルデヒドを含むシクロペンタン化合物であった。これを、exo-アリルアミンへ変換し、OsO_4によるジヒドロキシル化によってpactamycinの5-デメチル-2-デアミノ体のジアステレオマーを合成した。また、N-ベンジルヒドロキシアミンから合成したナイトロンでも同じ立体化学のシクロペンタン化合物を合成できることがわかり、これをアリルアミンへ誘導し、アニリンの導入を、全合成の最終段階にある。
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