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2009 年度 実績報告書

ステロール代謝調節タンパク質の作用機構解明と食品成分による制御

研究課題

研究課題/領域番号 20380073
研究機関東北大学

研究代表者

池田 郁男  東北大学, 農学研究科, 教授 (40136544)

キーワードABCG5 / ABCG8 / 植物ステロール / コレステロール / 吸収 / 小腸 / WKYラット / SHRSPラット
研究概要

ある食品成分をラットに摂食させると肝臓のABCG5/ABCG8の遺伝子発現が増加し、血中コレステロール濃度低下作用を有することを見いだした。そこでその発現増加機構を明らかにするため、ABCG5/ABCG8の遺伝子発現に影響すると考えられる種々の遺伝子の発現を検討した。その結果、liver X receptorやsmall heterodimer partnerの関わる経路は影響していないことが示された。さらに検討した結果、その食品成分は血糖上昇抑制作用があり、インスリン分泌を低下させることが示された。インスリンの低下は、ABCG5/ABCG8mRNA発現を亢進する事が報告されていることから、このことが発現亢進の原因と考えられた。しかし、小腸でのABCG5/ABCG8の遺伝子発現亢進は起こっておらず、このことがどのようなメカニズムによるのかはさらに検証する必要がある。また、その食品成分を摂取したラットの胆汁中のコレステロール量は摂取させない場合に比べ増加したことから、ABCG5/ABCG8発現亢進により胆汁へのコレステロール排泄促進が起こったと考えられた。しかしながら、糞便へのコレステロール排泄量は増加しておらず、胆汁へのコレステロール排泄促進がコレステロール代謝にどのような意味を持つのかは未だ明らかではない。この食品成分による血中コレステロール濃度低下作用はABCG5/ABCG8のコレステロール排泄促進作用によるというよりはむしろ、肝臓から血中への分泌抑制によることを示唆する結果も得られており、この点に関しては今後検討する予定である。なお、ステロール吸収に関わるタンパク質であるNPC1L1の小腸での発現は、この食品成分の影響は全く認められなかった。現状では、NPC1L1の発現を変動させる食品成分は見いだせていない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ABCG5に変異のあるSHRSP/Izm、WKY/NCrlCrljラットの植物ステロール蓄積とリンパへの^3H-sitosterol吸収能-ABCG5に変異のないWKY/Izmとの比較2009

    • 著者名/発表者名
      加藤正樹、都築毅、池田郁男
    • 学会等名
      第51回日本脂質生化学会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      20090730-20090731

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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