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2009 年度 実績報告書

食品由来多硫化アルケニルの生体内挙動とその分子標的に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20380080
研究機関日本大学

研究代表者

有賀 豊彦  日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50096757)

研究分担者 関 泰一郎  日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (20187834)
キーワードGarlic / Sulfide / Allium
研究概要

我々はネギ属植物の食品機能性に関して、抗血栓作用、解毒系酵素の誘導作用、がん細胞増殖抑制作用などの諸作用を、分子メカニズムを中心に検討してきた。その中で多硫化スルフィドであるジアリルトリスルフィド(DATS)が細胞骨格タンパクのβチュブリンを酸化的に修飾し、重合を妨げることを見出した。すなわち、チュブリンの脱重合を促進して、がん細胞の増殖(細胞分裂)を顕著に抑制することに加え、アポトーシスを誘導してがん細胞死をもたらした。この発見は、スルフィドの作用に関して、分子メカニズムの一端を明らかにしてはいるが、一方において、一食物成分が直接生体分子を修飾することの事実を提示し、がん細胞に対しては、細胞の分裂増殖を抑制し、やがて死滅させるという毒物的挙動を取る。本研究課題では、スルフィドの生体内での挙動の解明と同時に疏水性度など各種スルフィドの物理化学的性質と機能の関係について追究した。生物学的活性としてヒト大腸がん細胞株HT-29の増殖抑制とチュブリン重合抑制能を測定した。各種trisulfideの疎水性はoctanol/water分配係数を指標として震盪フラスコ法により測定した。合成した9種類のtrisulfideのうちdipropyl trisulfide, diallyl trisulfide, dibutenyl trisulfideはHT-29に対して強力な増殖抑制作用を示した。また、チュブリン重合抑制能も同様の傾向を示した。sulfideの疎水性は側鎖の長さに比例して増加し、増殖抑制、チュブリン重合抑制能は疎水性とparabolilcな相関を示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Relationship between lipophilicity and inhibitory activity against cancer cell growth of 9 kinds of alk(en)yl trisulfides with different side-chains2010

    • 著者名/発表者名
      Iitsuka Y
    • 雑誌名

      Oncology Research (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diallyl trisulfide protects rats from carbon tetrachloride-induced liver injury2009

    • 著者名/発表者名
      Hosono-Fukao T
    • 雑誌名

      J Nutr. 139(12)

      ページ: 2252-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Antibacterial potential of garlic-derived allicin and its cancellation by sulfhydryl compounds2009

    • 著者名/発表者名
      Fujisawa H
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem 73(9)

      ページ: 1948-55

    • 査読あり
  • [学会発表] ネギ属植物に含まれる sulfide 類の構造と機能の違いについて2009

    • 著者名/発表者名
      飯塚裕司
    • 学会等名
      日本農芸化学会2009年度大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2009-03-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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