食品由来多硫化アルケニルの生体内挙動とその分子標的に関する研究

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20380080
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 食品科学
• 研究機関: 日本大学
• 研究代表者: 有賀 豊彦 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50096757)
• 研究分担者: 関 泰一郎 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (20187834) ; 細野 崇 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (80445741)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 栄養化学

研究概要

スルフィドの生体内での挙動の解明と同時に疎水性度など各種スルフィドの物理化学的性質と機能の関係について追究した。様々な側鎖構造のalk(en)yl trisulfideの合成法を確立し、生物学的活性としてヒト大腸がん細胞株HT-29の増殖抑制能を測定した。各種trisulfideの疎水性はoctanol/water分配係数を指標として測定した。合成した9種類のtrisulfideのうちdipropyl,diallyl,dibutenyl trisulfideは強力な増殖抑制作用を示した。sulfideの疎水性は側鎖の長さに比例して増加し、増殖抑制、チュブリン重合抑制能は疎水性とparabolilcな相関を示した。

研究成果

• [雑誌論文] Relationship between lipophilicity and inhibitory activity against cancer cell growth of 9 kinds of alk(en)yl trisulfides with different side -chains. (2010)
  • 著者名/発表者名: Iitsuka Y, Tanaka Y, Hosono-Fukao T, Hosono T, Seki T, Ariga T
  • 雑誌名: Oncology Research 19 ページ: 575-82
  • 査読あり
• [雑誌論文] Diallyl trisulfide protects rats from carbon tetrachloride-induced liver injury. (2009)
  • 著者名/発表者名: Hosono-Fukao T, Hosono T, Seki T, Ariga T
  • 雑誌名: J Nutr 139(12) ページ: 2252-6
  • 査読あり
• [雑誌論文] Antibacterial potential of garlic-derived allicin and its cancellation by sulfhydryl compounds. (2009)
  • 著者名/発表者名: Fujisawa H, Watanabe K, Suma K, Origuchi K, Matsufuji H, Seki T, Ariga T
  • 雑誌名: Biosci Biotechnol Biochem 73(9) ページ: 1948-55
  • 査読あり
• [雑誌論文] Diallyl sulfides in garlic activate both TRPA1 and TRPV1. (2009)
  • 著者名/発表者名: Koizumi K, Iwasaki Y, Narukawa M, Iitsuka Y, Fukao T, Seki T, Ariga T, Watanabe T
  • 雑誌名: Biochem Biophys Res Commun 382(3) ページ: 545-8
  • 査読あり
• [雑誌論文] Thermostability of allicin as determined by chemical and biological assays. (2008)
  • 著者名/発表者名: Fujisawa H, Suma K, Origuchi K, Iwashita Y, Seki T, Ariga T
  • 雑誌名: Biosci Biotechnol Biochem 72(11) ページ: 2877-83
  • 査読あり
• [雑誌論文] Alkenyl group is responsible for the disruption of microtubule network formation in human colon cancer cell line HT-29 cells. (2008)
  • 著者名/発表者名: Hosono T, Hosono-Fukao T, Inada K, Tanaka R, Seki T, Hasegawa I, Ariga T
  • 雑誌名: Carcinogenesis 29(7) ページ: 1400-6
  • 査読あり
• [雑誌論文] Biological and chemical stability of garlic (Allium sativum L.)-derived allicin. (2008)
  • 著者名/発表者名: Fujisawa H, Suma K, Origuchi K, Kumagai H, Seki T, Ariga T
  • 雑誌名: J Agric Food Chem 56(11) ページ: 4229-35
  • 査読あり
• [雑誌論文] Anticancer effects of diallyl trisulfide derived from garlic. (2008)
  • 著者名/発表者名: Seki T, Hosono T, Hosono-Fukao T, Inada K, Tanaka R, Ogihara J, Ariga T
  • 雑誌名: Asia Pac J Clin Nutr 17(S1) ページ: 249-252
  • 査読あり
• [学会発表] Alk(en)yl trisulfideの側鎖構造と大腸がん細胞株の増殖抑制活性との関係について (2010)
  • 著者名/発表者名: 田中友紀、飯塚裕司、須田峻、細野崇、関泰一郎、有賀豊彦
  • 学会等名: 第25回日本香辛料研究会学術講演会(講演要旨集、p27-28)
  • 発表場所: 静岡
  • 年月日: 2010-11-13
• [学会発表] ヒト白血病細胞に対するガーリック由来香気成分diallyl trisulfideの抗がん作用について64回 (2010)
  • 著者名/発表者名: 田中友紀、稲田薫、関口雄亮、飯塚裕司、嶌本麻衣子、須田峻、細野崇、関 泰一郎、有賀豊彦
  • 学会等名: 日本栄養・食糧学会大会(p207)
  • 発表場所: 徳島
  • 年月日: 2010-05-23
• [学会発表] Diallyl trisulfideのマウスへの投与による抗腫瘍作用評価 (2010)
  • 著者名/発表者名: 須田峻、関口雄亮、稲田薫、田中友紀、飯塚裕司、嶌本麻衣子、関泰一郎、有賀豊彦
  • 学会等名: 日本農芸化学会2010年度大会(/日本農芸化学会要旨集、p183)
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2010-03-29
• [学会発表] ガーリック由来香気成分diallyl trisulfideによる各種白血病細胞株のアポトーシス誘導について (2010)
  • 著者名/発表者名: 嶌本麻衣子、稲田薫、田中理江、杉原明日香、飯塚裕司、田中友紀、細野崇、関泰一郎、有賀豊彦
  • 学会等名: 日本農芸化学会2010年度大会(/日本農芸化学会要旨集、p183)
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2010-03-29
• [学会発表] Alk(en)yl trisulfideの側鎖構造と抗がん活性との関係について (2010)
  • 著者名/発表者名: 飯塚裕司、嶌本麻衣子、田中友紀、須田峻、関口雄亮、細野崇、関泰一郎、有賀豊彦
  • 学会等名: 日本農芸化学会2010年度大会(/日本農芸化学会要旨集、p183)
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2010-03-29
• [学会発表] ガーリックオイル添加食給餌が高脂肪食負荷モデルラットに与える影響 (2010)
  • 著者名/発表者名: 乾文明、間宮知崇、西野真実、関泰一郎、有賀豊彦
  • 学会等名: 日本農芸化学会2010年度大会(/日本農芸化学会要旨集、p98)
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2010-03-28
• [学会発表] ニンニク由来アリシンの抗菌活性とSH化合物による活性阻害について (2009)
  • 著者名/発表者名: 渡部和浩、折口佳奈、須磨薫、池上雄星、藤澤浩之、関泰一郎、有賀豊彦
  • 学会等名: 第24回日本香辛料研究会学術講演会(講演要旨集、p16-17)
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2009-11-20
• [学会発表] ガーリック由来香気成分diallyl trisulfideによるヒト白血病細胞株のアポトーシス誘導とその機構について (2009)
  • 著者名/発表者名: 田中友紀、稲田薫、田中理江、嶌本麻衣子、飯塚裕司、須田峻、関口雄亮、関泰一郎、有賀豊彦
  • 学会等名: 第24回日本香辛料研究会学術講演会(講演要旨集、p32-33)
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2009-11-20
• [学会発表] ガーリック由来香気成分diallyl trisulfide による白血病細胞株のアポトーシス誘導 (2009)
  • 著者名/発表者名: 嶌本麻衣子、稲田薫、田中理江、細野崇、細野友美、杉原明日香、有徳菜々子、飯塚裕司、関泰一郎、有賀豊彦
  • 学会等名: 第63回日本栄養・食糧学会大会(p147)
  • 発表場所: 長崎
  • 年月日: 2009-05-21
• [学会発表] ネギ属植物由来sulfideおよびその類縁化合物の構造と機能 (2009)
  • 著者名/発表者名: 飯塚裕司、井谷明日香、稲田薫、田中理江、嶌本麻衣子、田中友紀、細野崇、関泰一郎、有賀豊彦
  • 学会等名: 第63回日本栄養・食糧学会大会(p148)
  • 発表場所: 長崎
  • 年月日: 2009-05-21
• [学会発表] 高脂肪食負荷ラットへのガーリックオイル添加給餌は生体内脂肪蓄積を抑制し、肥満を抑制する (2009)
  • 著者名/発表者名: 乾文明、間宮知崇、西野真実、関泰一郎、有賀豊彦
  • 学会等名: 第63回日本栄養・食糧学会大会(p159)
  • 発表場所: 長崎
  • 年月日: 2009-05-21
• [学会発表] ネギ属植物に含まれるsulfide類の構造と機能の違いについて (2009)
  • 著者名/発表者名: 飯塚裕司、井谷明日香、稲田薫、田中理江、嶌本麻衣子、田中友紀、細野崇、関泰一郎、有賀豊彦
  • 学会等名: 日本農芸化学会2009年度大会(/日本農芸化学会要旨集、p210)
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2009-03-29
• [学会発表] ガーリック由来香気成分Diallyl trisulfideの分子標的の解析 (2009)
  • 著者名/発表者名: 田中理江、稲田薫、細野友美、細野崇、飯塚裕司、嶌本麻衣子、田中友紀、井谷明日香、荻原淳、関泰一郎、有賀豊彦
  • 学会等名: 日本農芸化学会2009年度大会(/日本農芸化学会要旨集、p228)
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2009-03-29
• [学会発表] Diallyl trisulfide(DATS)によるヒト白血病細胞株のアポトーシス誘導機構 (2009)
  • 著者名/発表者名: 稲田薫、田中理江、飯塚裕司、嶌本麻衣子、細野友美、細野崇、関泰一郎、有賀豊彦
  • 学会等名: 日本農芸化学会2009年度大会(/日本農芸化学会要旨集、p213)
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2009-03-29
• [学会発表] ニンニク成分DAS、DADS、DATSはTRPA1とTRPV1を活性化させる (2009)
  • 著者名/発表者名: 小泉佳名子、岩崎有作、成川真隆、飯塚裕司、細野(深尾)友美、関泰一郎、有賀豊彦、渡辺達夫
  • 学会等名: 日本農芸化学会2009年度大会(/日本農芸化学会要旨集、p63)
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2009-03-28
• [学会発表] ニンニク由来香気成分ジアリルトリスルフィドが誘導する各種白血病細胞株のアポトーシスについて (2008)
  • 著者名/発表者名: 田中理江、稲田薫、細野崇、細野友美、杉原明日香、有徳菜々子、嶌本麻衣子、飯塚裕司、関泰一郎、有賀豊彦
  • 学会等名: 第23回日本香辛料研究会学術講演会(講演要旨集、p14-15)
  • 発表場所: 金沢
  • 年月日: 2008-11-14
• [学会発表] ニンニク由来allicinの生物学的、化学的安定性に関する研究 (2008)
  • 著者名/発表者名: 藤澤浩之、折口佳奈、須磨薫、田川篤、渡部和浩、関泰一郎、有賀豊彦
  • 学会等名: 第23回日本香辛料研究会学術講演会(講演要旨集、p16-17)
  • 発表場所: 金沢
  • 年月日: 2008-11-14
• [学会発表] Food Function of Garlic:anticancer and antithrombotic effect of organosulfur components derived from garlic. (2008)
  • 著者名/発表者名: T. Seki, T. Ariga
  • 学会等名: International Symposium at Korean Society of Food Science and Nutrition.
  • 発表場所: Jeju (Invited Speaker)
  • 年月日: 2008-10-14
• [図書] The Basics of Functional Foods.(IV. Biological Functionality of Herbs and Spices)(Garlic and Onion) (2011)
  • 著者名/発表者名: Seki T, Hosono T, Ariga T, Allium
  • 出版者: DEStech Publications, Inc., Lancaster, PA, USA.(in press)
• [図書] ニンニクの機能スパイス・ハーブの機能性と最新応用技術(中谷延二監修) (2010)
  • 著者名/発表者名: 関泰一郎、細野崇、有賀豊彦
  • 出版者: シー・エムシー出版(東京)
• [備考] ホームページ等
  • URL: http://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~eiyo/