研究課題/領域番号 |
20380081
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研究機関 | 秋田県総合食品研究所 |
研究代表者 |
高橋 砂織 秋田県総合食品研究所, 食品加工研究所, 所長 (10142184)
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研究分担者 |
後藤 猛 秋田大学, 工学資源学部, 准教授 (10215494)
吉澤 結子 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (20269202)
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キーワード | レニン / アンギオテンシ / 昆虫細胞 / バキュロウイルス / 阻害物質 / アスパルテックプロテアーゼ / ソヤサポニンI / グルクロニドサポニン |
研究概要 |
レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系(RAS)は哺乳類において最も重要な血圧制御系である。特にレニンは、RASにおいて律速酵素として要の役割を担っている。これまでに、アンギオテンシン変換酵素を標的とした食物由来阻害物質の探索が数多く行われて来た。しかし、酵素入手の困難さや活性測定の煩雑さなどによりレニンの阻害物質探索は殆ど行われて来なかった。我々は、ヒトプレプロレニン導入バキュロウイルス・昆虫細胞発現系を用いてレニンを比較的容易に取得する手法を開発した。今年度は、本発現系においてレニンの分解に関与する可能性がある酸性領域に至適pHを有するプロテアーゼ(SAP)の精製とその特性解明を行った。精製SAPの分子量は、SDS-PAGEで42kDa及びゲル濾過法で38kDaと求められ、SAPは単量体で存在することが示された。蛍光消光基質(MOCAc-Gly-Lys-Pro-Ile-Leu-Phe*Phe-Arg-Leu-Lys(Dnp)-D-Arg-NH2を用いた場合のSAPの至適pHは、3.0であった。また、pH3.0におけるKm値は、約1.0μMと求められた。本酵素活性は、ペプスタチンによって特異的に阻害されそのKi値は、約38.0fMと求められた。一方、大豆に見出されたレニン阻害物質を精製し、その構造をソヤサポニンIと同定した。そこで、各種サポニン類及びゲニン類を用いてレニン阻害活性と構造との相関を解析した。その結果、ゲニンの3位にグルクロン酸が結合したグルクロニドサポニンがレニン阻害活性を有することが示された。
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