研究課題
レニンは、レニン・アンギオテンシン系による血圧制御機構において律速酵素として重要な役割を持つアスパルテックプロテアーゼである。本酵素は、主に腎臓の傍糸球体細胞で生合性され、様々な刺激で血中に放出され、血圧調節を行っている。これまで、レニン・アンギオテンシン系の制御を目指して、アンギオテンシン変換酵素の阻害物質が各種食材より探索されてきた。しかしながら、食物由来レニン阻害物質に関する研究は、酵素入手等の困難などから行われていなかった。我々は、バキュロウイルス・昆虫細胞培養系を用いた高効率組換え型レニン生産系を構築するとともに、レニンの簡易精製法の開発や新規レニン活性測定法の開発を行った。これまでに、大豆にレニン阻害物質を見出し、その構造をソヤサポニンIと同定するとともに、各種サポニン類を用いてレニン阻害活性を検討した結果、グルクロニドサポニンがレニン阻害サポニンであることを明らかとしている。今回、組換え型ヒトレニンと新規活性測定法を用いて各種食材よりレニン阻害物質を探索した結果、新たに米にレニン阻害活性を見出した。各種クロマトグラフィーを用いて米由来レニン阻害物質を精製しその構造を解析した。その結果、米由来レニン阻害物質として遊離不飽和脂肪酸であるオレイン酸とリノール酸を同定した。さらに各種遊離脂肪酸を用いてレニン阻害活性を検討した結果、遊離多価不飽和脂肪酸であるリノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸に阻害活性を認めた。しかしながら、遊離飽和脂肪酸にレニン阻害活性は認められなかった。
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