研究課題
I. 広葉樹天然林の種多様性維持機構の解明1. 大面積試験地(既設6ha)600枠で調査した環境の資源量(光・土壌窒素濃度・水分)の分布パタンやそのクラスター構造がそれぞれ異なることを明らかにした。さらに、いずれの資源量も地形要因(方位角、傾斜角、凹凸)と大きな関連性をもつことを明らかにした。2. ミズキ輪紋葉枯れ病の親木からの距離依存的な感染機構を解明した。親木からの距離別に実生・稚樹の死亡率・成長率を調べ、同時に距離別に病害発生率・菌体トラップ量、病葉のトラップ量を調べた。その結果、ミズキ輪紋葉枯れ病の親木からの距離依存的な感染が明らかになり、Janzen-Connell効果が親木からの感染経路によって個となることを初めて明らかにした。3. Trade-off仮説を物質分配関係から検証した。耐陰性の高いミズナラほど耐陰性の低いクリより、防御・貯蔵への配分率が高いことを明らかにした。これは、暗くて天敵の多い環境でミズナラが病原菌や植食者の被害を回避するための戦略であると考えられ、種多様性を説明するTrade-off仮説を物質分配関係から支持している。II. 生態系機能の評価1. 間伐強度別スギ人工林(強度・弱度間伐・無間伐 : 各0. 6ha x3反復 : 平成15試験地設定済み)において、広葉樹林縁からの距離別に植物の種多様性回復過程を解析した。その結果、前生稚樹では、林縁からの距離依存的に種多様性が高いことが明らかになった。しかし、間伐によって距離依存性は解消された。2. 間伐強度別スギ人工林で種多様性の回復過程と物質生産機能(バイオマスの総生産量)の関係を解析した所,両者にはトレードオフ関係があった。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (2件)
Forest Ecology and Management 257
ページ: 361-369
Plant Ecology 201
ページ: 181-196
Botany 87
ページ: 315-323
New Phytologist (In press)
Plant Ecology (In press)
Journal of Forest Research (In press)
Canadian Journal of Forest Research 38(9)
ページ: 2445-2454
Plant Ecology 198
ページ: 27-35
Forest Ecology and Management 256
ページ: 431-437
Ecological Informatics 3
ページ: 227-228