研究課題/領域番号 |
20380088
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
水永 博己 静岡大学, 農学部, 教授 (20291552)
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研究分担者 |
内田 孝紀 九州大学, 応用力学研究所, 助教 (90325481)
斉藤 哲 独立行政法人森林総合研究所, 主任研究員 (30353692)
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キーワード | 風害 / 林冠分断-修復 / 森林施業 / 流体力学 |
研究概要 |
本課題の目的は、森林施業に伴う風害リスクを林冠の分断と修復過程に関連づけて定量的に評価できるシステムを開発することにあり、育林施業がひきおこす葉群分布の変化と成長やアロメトリー関係の変化などの生態現象・流体シミュレーション技術・幹や根元の力学特性をリンクして、森林内の個々の樹木にあたる風の流れと幹被害現象をシミュレートするものである。 今年度は黄褐系褐色森林土壌に植栽された67年生ヒノキ林の土壌水分を制御して引き倒し試験を行った。土壌表層の水分が土壌の荷重をもたらすことにより最大回転モーメントを大きくする一方で、根圏下部の水分はすべり面やヒンジ部分の沈み込みをもたらし最大回転モーメントを小さくすることが分かった。このことは土壌中の水分分布が個体の力学的風害抵抗性に影響を及ぼすことを示すものである。 2004年台風18号により由布市スギ人工林で発生した風害を再現した。台風シミュレーションRIAM-COMPACTによる風況シミュレーションをリンクして、台風通過時の風向・風速の地域分布を予測した。 2009年台風18号で軽度の被害が生じた静岡大学演習林において、風害来襲時の風速の垂直プロファイルを測定できた。30m高の瞬間最大風速30ms-1、樹冠表面5ms-1で根返りを起こす個体があり、こうした被害木の樹冠平面積と胸高直径の比が高い傾向がみられた。
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