研究課題
1.流域特性解析・候補地選定手法の開発:(1)前年度までに構築したモデルをさらに発展させ、天然更新の可能性を考慮した候補地選定モデルを構築し、現地踏査によって検証した。(2)地域に適した渓畔域抽出手法を開発するため、九州全体を対象とした低解像度DEMを用いた広域集水域解析によって流域特性を解析し、高次の小流域面積割合が高いほど渓畔域の面積割合が高いことが明らかにした。これらの結果に基づき、渓畔林再生候補地の選定手法を開発した。2.林分再生手法の開発:(1)試験地の再生状況モニタリングの結果、渓畔種の再生には地域性等に関わらず強度の間伐が必要であることを明らかにした。また、近隣に母樹が存在しない場合の植栽・播種等による人工更新法を検討した。さらに、自然河川における樹種分布の解析から、流域特性や地形特性に応じた再生目標樹種を明らかにした。(2)暖温帯の渓流において、針葉樹落葉と広葉樹落葉の渓流内での分解様式を調査し、渓畔林の種組成が渓流の物質循環に与える影響を明らかにした。(3)渓畔域に植栽された針葉樹の伐採に伴う草本層植生の回復過程および水生性昆虫相の変化を調査し、渓畔林再生による生態的機能の回復過程を解明した。3.更新完了基準の提示:人工林伐採試験地のモニタリング結果等により、再生初期の実生稚樹動態とこれに及ぼす物理環境の影響を明らかにした。また、既存地図情報の解析および現地調査を組み合わせ、再生の目的に応じた階層的な渓畔林の更新可能性の階層的な判断基準を提示した。
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Journal of Forest Environment
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