研究課題/領域番号 |
20380094
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
平川 浩文 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, グループ長 (30353824)
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研究分担者 |
石橋 靖幸 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (80353580)
揚妻 直樹 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (60285690)
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キーワード | コテングコウモリ / ねぐら選択 / 森林階層 / 樹洞 |
研究概要 |
1)捕獲・標識・皮膜採取:ウラウチナイ河畔林の2haほどの範囲でのべ70頭のコテングコウモリを捕獲した。このうち、昨年までに標識したものが9個体、今年の初めて標識したものが39個体あった。既標識9個体のうち、5個体は1回、4個体は2回、1個体は3回捕獲された。初標識39個体のうち、28個体は1回、8個体は2回、2個体は3回、1個体は5回捕獲された。2回以上捕獲された個体が占める割合は既標識個体で56%、初標識個体で28%であった。メスの数は既標識9個体中7個体に対して、初標識39個体中20個体であった。2回以上捕獲された個体は初標識のオス19個体中4個体で21%、メス20個体中7個体で35%であった。捕獲されやすさに性差がないと仮定すると、年内でも年をまたいでもメスの定着率あるいは生存率が高いことが示唆された。 2)ラジオテレメトリー法によるねぐら場所調査:8月から9月にかけて15個体に発信器を付けて調査した結果、オス・メス共に9月以降樹冠部から樹幹下へねぐらを移すことが確認できた。また、10月半ばに枯葉から樹洞へねぐらを変えた個体が1例観察された。晩秋の樹洞利用の確認は2例目であった。晩秋の樹洞利用は一般的であることが示唆された。 3)近縁種由来のプライマーを用いたPCR増幅産物のクローニングを行い、10種類のコテングコウモリのマイクロサテライトDNAを得た。 4)人工ねぐらへの誘引と観察:昨年に引き続き、素材を変えて40個設置したが、誘引には成功しなかった。ねぐら内のボタン型温度ロガーが発する超音波が誘引を阻害している可能性が疑われた。
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