研究課題/領域番号 |
20380098
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
大西 尚樹 独立行政法人森林総合研究所, 東北支所, 主任研究員 (00353615)
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研究分担者 |
玉手 英利 山形大学, 理学部, 教授 (90163675)
岡 輝樹 独立行政法人森林総合研究所, 野生動物研究領域, チーム長 (80353621)
石橋 靖幸 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (80353580)
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キーワード | ツキノワグマ / 遺伝構造 / 保全遺伝学 / 遺伝的多様性 |
研究概要 |
今年度は,試料の収集とマイクロサテライトDNA解析の準備を中心に行った 試料については東北地方および関東地方で有害駆除個体や学術捕獲個体などから収集を行った。 それと平行してマイクロサテライトDNA解析の準備を進めた。ツキノワグマで開発された7組のプライマーのうち4組が本州各地で問題無く使えることがわかった。さらに、アメリカクロクマで開発された9組のプライマー、およびヒグマで開発された3組のプライマーがツキノワグマでも使用できることがわかった。これら16組のプライマーを組み合わせて、効率的にPCRが行えるようなmultiplex PCRのプロトコールを作成した。 これらのマイクロサテライトDNAマーカーを用いて、2007年2月に山形県鶴岡市の旧朝日村地区で保護された仔グマの遺伝子型を解析し、試料として収集していた同地域で有害捕獲されたメス成獣の遺伝子型と照合した結果、母親と推定される個体が2006年10月に捕殺されていることが明らかになった。この保護個体は0歳の秋に母親と別れ、厳冬期に至る110日間を単独で行動していた可能性があることがわかった。
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