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2008 年度 実績報告書

担子菌による木材分解の引き金となるヘミセルロース分子構造の認識と応答機構

研究課題

研究課題/領域番号 20380100
研究機関東京大学

研究代表者

鮫島 正浩  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30162530)

研究分担者 五十嵐 圭日子  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (80345181)
キーワード担子菌 / 木材分解 / セルロース / ヘミセルロース / Phanerocaete chrysosporium / Pichia pastoris / プロテオーム / 発現解析
研究概要

担子菌による木材分解の初発反応として,へミセルロースの分子構造認識が重要な役割を果たしていると予想している。本研究は,このことを生化学的ならびに分子生物学的に実証することを目的とする。初年度目は,すでに全ゲノム情報が開示されている担子菌であるPhanerochaete chrysosporiumaを供試菌として,これらの菌が木材分解の初期過程で生産するへミセルロース分解に関わる多様な加水分解酵素を網羅的に同定し,さらに各へミセルロース構造に対する分解特性を明らかにすることを第一の目標とした。また,これらの酵素ならびにセルロース等の主要な木材成分の分解に関わる酵素に対応する遺伝子の発現応答について時系列的に定量解析を行い,これにより担子菌による木材成分分解の分解機序を明らかにすることを第二の目標とした。
セルロース,セルロース+キシランを炭素源基質とする液体培地でP. chrysosporiumを培養し,得られた菌体外液を二次元電気泳動法によりプロテオーム解析を行った。その結見,66種のタンパク質についてアミノ酸配列情報を取得し,そのうち50種については帰属を行った。さらに,キシランの添加によりキシランの分解に関わる酵素だけでなく、セルロース分解やその他植物細胞壁成分を分解する酵素について分泌が促進されることを明らかにした。また,同定されたタンパク質の中でへミセルロースならびにセルロース分解に関わるGH45ならびにGH74をコードする遺伝子をcDNAとしてクローニングし,さらにPichia pastorisの発現系を用いて組換えタンパク質として酵素を得て,その性質を明らかにした。さらに,6種のCel7酵素の遺伝子のcDNAを検出するための特異的なプライマーを設計し,これを用いてセルロース培養系におけるCel7遺伝子の発現解析を行った結果,それぞれのCel7遺伝子においてセルロース分解過程での発現挙動が大きく異なることを示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Real-time quantitative analysis of carbon catabolite derepression of cellulolytic genes expressed in the basidiomycete Phanerochaete chrysosnorium2008

    • 著者名/発表者名
      H. Suzuki, K. Igarashi, and M. Samejima
    • 雑誌名

      Appl. Microbiol. Biotechnol. 80

      ページ: 99-106

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characterization of an endoglucanase belonging to a new subfamily of glycoside hydrolase family 45 of the basidiomycete Phanerochaete chrysosporium2008

    • 著者名/発表者名
      K. Igarashi, T. Ishida, .C Hori and M. Samejima
    • 雑誌名

      Appl. Environ. Microbiol., 74

      ページ: 5628-5634

    • 査読あり
  • [学会発表] バイオマス構成多糖の分解過程における担子菌Phanerochaete chrysosporiumのャくれトーム解析2009

    • 著者名/発表者名
      堀千明、五十嵐圭日子、鮫島正浩,片山映、西野武士
    • 学会等名
      第59回日本木材学会大会
    • 発表場所
      長野県松本市
    • 年月日
      2009-03-16
  • [学会発表] 担子菌Phanerichaete chrysosporiumにおける、セルロースおよびグルコースに対するcel7遺伝子群の発現応答の差に関する定量的解析2009

    • 著者名/発表者名
      鈴木一史,五千嵐圭日子,鮫島正浩
    • 学会等名
      第59回日本木材学会大会
    • 発表場所
      長野県松本市
    • 年月日
      2009-03-15
  • [学会発表] カーボンカタボライト抑制解除環境下における担子菌Phanerochaete chrysosroriumのcel7遺伝子群の発現挙動に関する定量的解析2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木一史,五十嵐圭日子,鮫島正浩
    • 学会等名
      第8回糸状菌分子生物学コンファレンス
    • 発表場所
      石川県金沢市
    • 年月日
      2008-11-18
  • [産業財産権] エンドグルカナーゼ活性を有する新規タンパク質,そのDNA、及びそれらの利用2008

    • 発明者名
      五十嵐圭日子,鮫島正浩
    • 権利者名
      五十嵐圭日子,鮫島正浩
    • 産業財産権番号
      特願2008-185219
    • 出願年月日
      2008-07-16

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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