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2008 年度 実績報告書

空中浮遊菌が引き起こす非接地条件下におかれた木材の腐朽リスク解析

研究課題

研究課題/領域番号 20380105
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

桃原 郁夫  独立行政法人森林総合研究所, 木材改質研究領域, チーム長 (60222345)

研究分担者 太田 祐子  独立行政法人森林総合研究所, 森林微生物研究領域, 主任研究員 (60343802)
西村 健  独立行政法人森林総合研究所, 木材改質研究領域, 主任研究員 (10353799)
キーワード腐朽菌 / 腐朽 / 浮遊菌 / 遺伝子 / 同定 / スギ / DNA / 針葉樹
研究概要

これまで地面に埋めた木材の腐朽については多数の研究事例があるが、非接地暴露した木材の劣化事象を空中に浮遊している木材腐朽菌と関連づけて研究した例はない。そこで本研究では、空中に浮遊している菌類(空中浮遊菌)にが付着することで引き起こされる非接地条件下に置かれた木材の腐朽リスクを解析する目的で研究をおこなう。
初年度は茨城県つくば市において、6月〜11月の半年間、同一の場所で空中浮遊菌のサンプリングをおこなった。培養時の基質にスギ薄片を用いることで、木材腐朽菌のみを繁殖させ、単離することを可能とした。また、単離した腐朽およびスギ薄片中の腐朽菌については遺伝子による同定作業を開始した。一方、サンプリング時の腐朽活性については、1000リットルの空気中に含まれる空中浮遊菌を直接スギ薄片でトラップし、その後26℃で16週間培養する方法で評価した。その結果、16週間の培養期間中に、最大10%前後の質量減少率が認められたが、その一方まったく菌糸の生育が認められず質量減少を示さなかったスギ薄片も10%以上の割合で認められた。サンプリング月と空中浮遊菌によって引き起こされた平均質量減少率との間に有意な相関は無く、6月から11月の間は常に木材腐朽能を有する菌が空中を浮遊していることが示唆された。気象因子と腐朽活性との相関については、当日の温度、湿度、雨量、前日、一昨日との間に明確な相関は認められず、唯一天気と腐朽活性との間にのみ有意な相関が認められた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Action of fungal beta-glucosidase on the mono-O-methylated p-nitorophenyl beta-D-glucopyranoside2009

    • 著者名/発表者名
      Nishimura T, Ishihara M
    • 雑誌名

      Holzforschung 63

      ページ: 47-51

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 木材保存2008

    • 著者名/発表者名
      桃原郁夫
    • 雑誌名

      木材工業 63

      ページ: 516-518

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Relationships among three Japanese Laetiporus taxa based on phylogenetic analysis and incompatibility tests2008

    • 著者名/発表者名
      Ota Y, Hattori T.
    • 雑誌名

      Mycoscience 49

      ページ: 168-177

    • 査読あり
  • [学会発表] 使用環境に応じた試験法について-いくつかの私案-2008

    • 著者名/発表者名
      桃原郁夫
    • 学会等名
      日本木材保存協会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-06-02
  • [図書] 木製外構材のメンテナンスマニュアル(改訂版)2009

    • 著者名/発表者名
      桃原郁夫
    • 総ページ数
      54
    • 出版者
      日本木材保存協会

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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