寒流域と暖流域の2地点において、アワビ類やサザエ、ウニ類等の浮遊幼生が着底し、発育段階初期の成育場とするサンゴモ上における動植物の種間関係を明らかにする。具体的には、無節および有節サンゴモ群落上に生息する無脊椎動物および藻類の発育段階毎の組成とその変動を調べ、主要動物種については、サンゴモ各種に対する着底選択性の有無、サンゴモ上における加入時期、成長・生残、季節変化などの出現動態および食性を明らかにする。アワビ類、サザエ、ウニ類、およびその他の主要動物種については、飼育実験によって、餌料を巡る競合関係、捕食・被食関係の有無とその程度を調べる。以上の結果を総合して、無節・有節サンゴモ上における微小生態系の構造と機能、およびその海域による違いや環境変化に伴う変動を明らかにする。また、資源として重要なアワビ類、サザエ、ウニ類の個体数変動に及ぼす他の動植物の影響を具体的に解明し、それぞれに対するサンゴモ上微小生態系の環境収容力を推定する。
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