研究課題
カリグス類12種の成体が日本、中国、タイ沿岸域からプランクトンとして出現した。この中には世界各地からプランクトンとしてだけの出現報告のあるCaligus undulatusも含む。一般的に、カリグス類は成体になると宿主から離脱することなく同一宿主上で死ぬまで生活を続けるが、対照的に宿主魚類と水中を頻繁に往来する生活史パターンも存在すると推定された。これらの種においては成体も感染期と見なせる。クサフグの鰓に寄生する単生類Haliotrema kusafuguの寄生は周年見られ、寄生率は平均92.5%にも及び、平均寄生個体数は宿主当たり15~41個体の範囲で変動した。感染期オンコミラシジウム幼虫は水温25℃、15℃において、それぞれ3~6日、12~18日で孵化した。ミズクラゲなどの鉢クラゲ類を第二中間宿主とする吸虫類3種(Lepocreadium clavatum, Cephalolepidapedon saba, Opechona olssoni)の延長宿主としてクラゲ食性のユウレイクラゲが介在する。瀬戸内海では、これらの吸虫類はクラゲ類を通して6~9月まで終宿主魚類への感染が可能であると推定された。隔口類繊毛虫Vampyrophrya pelagicaのtrophontの細胞質内に存在する食胞膜前駆体の膜状構造及びシスト膜は感染期tomiteが放出されてから約18時間(20℃)して形成されることが判明した。カイアシ類の消化管内に寄生する渦鞭毛藻類Blastodiniumの感染期である遊走子およびスポロサイトは宿主の肛門から排出される。前者は感染能が1日程度、後者は着底後12~48時間(10℃)して2つの遊走子が分裂して放出される。宿主体内のスポロシストの段階では細胞に鎧版がなく、放出された遊走子には鎧版が形成されていたので、放出後の短時間の間に鎧版が形成される可能性がある。
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