研究課題/領域番号 |
20380111
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
冲中 泰 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (80363034)
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研究分担者 |
中井 敏博 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (60164117)
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キーワード | ベータノダウイルス / 宿主因子 / トランスポゾンタギング / 遺伝子破壊系 / 魚類培養細胞 |
研究概要 |
魚類ノダウイルスを原因とするウイルス性神経壊死症は極めて致死性が高いことから、その防除法の確立は急務である。本研究は、その防除対策への足がかりとなる情報を得るため、すなわち魚類ノダウイルスの感染・増殖に関与する各種宿主遺伝子を効率的に同定するため、トランスポゾンタギング法を利用した網羅的かつ迅速な遺伝子スクリーニング系を新規に構築することを目的とする。 本年度は、トランスポゾン転移酵素を発現するプラスミド(pCAGGST2TP)およびトランスポゾンを含むプラスミド(pT2AL200R150G)を同時に魚類培養細胞(E-11細胞)にトランスフェクションし、まずはプラスミドが導入されたことを示すGFP発現細胞をクローニングした。さらに、これらGFP発現細胞で、トランスポゾンが転移酵素により切り出された後、細胞ゲノムに挿入されたかをサザンハイブリダイゼーションにより確認した。その結果、細胞に導入したオリジナルプラスミドのシグナル以外に、ゲノムへのトランスポゾン挿入を示すシグナルが確認された。しかし、トランスポゾン挿入を示した細胞クローンの割合は低く、目標である8万細胞クローンを得るには不十分と思われた。今後トランスポゾン転移酵素の至適温度やプラスミドトランスフェクションの条件を検討し、挿入効率を上げる必要がある。また、サザンハイブリダイゼーションシグナルが概して弱かったことから、本シグナルの検出感度を上げる必要性も感じられた。本実験では、当初使用する予定であったSGF細胞に代わりE-11細胞を使用した。これはSGF細胞にウイルスを感染させても全ての細胞が死滅しないことが予備実験により判明し、本実験のスクリーニング系には適さないことが判明したからである。
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