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2010 年度 実績報告書

トランスポゾンタギング法によるウイルス感染増殖に関与する宿主遺伝子の網羅的同定

研究課題

研究課題/領域番号 20380111
研究機関広島大学

研究代表者

冲中 泰  広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (80363034)

キーワードベータノダウイルス / 宿主因子 / トランスポゾンタギング / 遺伝子破壊系 / メダカ培養細胞
研究概要

昨年度取得した染色体数が25本であるメダカHNI-2細胞クローン(通常のメダカ個体の染色体数は2n=48)をレシピエント材料に用いて、トランスポゾン挿入による遺伝子破壊およびウイルス感染実験を進めた。
本研究では、トランスポゾン挿入により宿主因子遺伝子が破壊され、ベータノダウイルス耐性となった細胞系を得ることが最初の到達目標であるが、本年度はベータノダウイルスに耐性でかつGFP(トランスポゾンにコードされるマーカー遺伝子)を発現する細胞系を17系統得ることができた。この結果から、染色体数の少ない細胞系を材料に用いれば、トランスポゾン挿入によるウイルス耐性細胞の取得効率が上がることが示唆された。
これらウイルス耐性細胞を大量に培養してゲノムDNAを単離し、トランスポゾン内に存在しない制限酵素で切断後、inverse PCRを行った。その結果、17系統中11系統においてトランスポゾン挿入領域のメダカDNA断片を取得することができた。この部分配列を用いてEnsemblメダカゲノムデータベースに対するblastn検索を行った結果、9系統のDNAに対する類似配列が得られ、このうち5つがコード領域と予測された。これら5遺伝子の全長cDNAを取得し、それぞれが由来するウイルス耐性細胞に導入して(相補実験)、ウイルス感受性が復帰するかを検討中である。今回、トランスポゾン挿入領域の配列が9種得られたが、このうち4種が非コード領域であった。この解釈として、トランスポゾン挿入領域以外に起きた突然変異によりウィルス耐性が付与されたか、あるいはこれら非コード領域も宿主因子遺伝子の発現調節などに関与する可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Susceptibilities of medaka (Oryzias latipes) cell lines to a betanodavirus.2010

    • 著者名/発表者名
      Kei Adachi
    • 雑誌名

      Virol.J.

      巻: 7 ページ: 150

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of RNA regions that determine temperature sensitivity in betanodaviruses.2010

    • 著者名/発表者名
      Naomi Hata
    • 雑誌名

      Arch.Virol.

      巻: 155 ページ: 1597-1606

    • 査読あり
  • [学会発表] メダカ培養細胞におけるRNA干渉を利用した遺伝子ノックダウン法の最適化2010

    • 著者名/発表者名
      善家孝介
    • 学会等名
      日本魚病学会
    • 発表場所
      三重大学、津
    • 年月日
      20100921-20100922
  • [学会発表] ベータノダウイルスの温度感受性機構の解明-III RGNNV型近縁株を用いた研究の効率化2010

    • 著者名/発表者名
      有安亮
    • 学会等名
      日本魚病学会
    • 発表場所
      三重大学、津
    • 年月日
      20100921-20100922
  • [学会発表] メダカ培養細胞におけるRNA干渉誘導法の最適化2010

    • 著者名/発表者名
      善家孝介
    • 学会等名
      小型魚類研究会
    • 発表場所
      プラザイースト、さいたま
    • 年月日
      20100918-20100919

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公開日: 2012-07-19  

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