潮汐を産卵同期に利用する魚類における干満情報の脳内処理・統合ネットワークの解明

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20380114
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 水産学一般
• 研究機関: 琉球大学
• 研究代表者: 竹村 明洋 琉球大学, 理学部, 教授 (40222103)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 潮汐 / 産卵 / ミツボシキュウセン / ドーパミン / 組織 / サンゴ礁

研究概要

本研究は、潮汐性の日周産卵リズムが顕著に現れる熱帯性ベラ類のミツボシキュウセンを主な研究対象種とし、潮汐情報が内因性のリズムに転換される道筋を明らかにした。潮汐(静水圧)変化を実験的に付加した場合、脳内ドーパミン代謝率が低下した。ドーパミン代謝は昼をピークとする日内変動を繰り返しており、この変化はメラトニン投与によっても誘導することができた。魚類ではドーパミンが生殖腺刺激ホルモン放出抑制因子として働いていることが知られているため、日周性と潮汐性刺激によるドーパミン代謝の変化が潮汐性の毎日産卵誘導に関与している可能性が考えられた。

研究成果

• [雑誌論文] サンゴ礁生物における共生とは (2010)
  • 著者名/発表者名: 竹村明洋
  • 雑誌名: 環境と健康 23 ページ: 261-270
• [雑誌論文] サンゴ礁に生息する魚類の産卵リズムに及ぼす月の影響 (2010)
  • 著者名/発表者名: 竹村明洋
  • 雑誌名: 比較内分泌学 36 ページ: 101-106
• [雑誌論文] External and internal controls of lunar-related reproductive rhythms in fish. (2010)
  • 著者名/発表者名: Takemura A, Rahman MS, Park YJ
  • 雑誌名: J.Fish Biol. 76 ページ: 7-26
  • 査読あり
• [雑誌論文] Dopaminergic activity in relation to changes in day-night and hydrostatic pressure in the brain of tropical wrasse Halichoeres trimaculatus. (2010)
  • 著者名/発表者名: Takemura A, Uchimura M, Shibata Y
  • 雑誌名: Gen.Comp.Endocrinol. 166 ページ: 513-519
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effect of cortisol on melatonin production in the pineal gland of tilapia, Oreochromis mossambicus. (2010)
  • 著者名/発表者名: Nikaido Y, Vijayan MM, Arulu N, McGuire A, Park YJ, Takemura A
  • 雑誌名: Comp Biochem.Physiol. 155A ページ: 84-90
  • 査読あり
• [雑誌論文] Hyperosmotic shock adaptation by cortisol involves upregulation of branchial osmotic stress transcription factor 1 gene expression in Mozambique tilapia. (2009)
  • 著者名/発表者名: McGuire A, Aluru N, Takemura A, Weil R, Wilson JM, Vijayan MM
  • 雑誌名: Gen.Comp.Endocrinol 165 ページ: 321-329
  • 査読あり
• [雑誌論文] Isolation and characterization of DMRT1 and its putative regulatory region in the protogynous wrasse, Halichoeres tenuispinis. (2009)
  • 著者名/発表者名: Jeong HB, Park JG, Park YJ, Takemura A, Hur SP, Lee YD, Kim SJ
  • 雑誌名: Gene 438 ページ: 8-16
  • 査読あり
• [雑誌論文] Photic and circadian regulation of melatonin production in the Mozambique tilapia Oreochromis mossambicus. (2009)
  • 著者名/発表者名: Nikaido Y, Ueda S, Takemura A
  • 雑誌名: Comp.Biochem.Physiol. 152A ページ: 77-82
  • 査読あり
• [雑誌論文] Role of the tidal cycle in the gonadal development and spawning of the tropical wrasse Halicoeres trimaculatus. (2008)
  • 著者名/発表者名: Takemura A, Oya R, Shibata Y, Uchimura M, Nakamura S
  • 雑誌名: Zool.Sci. 25 ページ: 572-579
• [雑誌論文] Diurnal expression patterns of neurohypophysial hormone genes in the brain of the threespot wrasse Halichoeres trimaculatus.
  • 著者名/発表者名: Hur SP, Takeuchi Y, Esaka Y, Wambiji N, Park YJ, Kang HC, Jeong HB, Lee YD, Kim SJ, Takemura A
  • 雑誌名: Comp.Biochem.Physiol. in press
  • 査読あり
• [学会発表] 月齢周期に応答する熱帯産魚類ゴマアイゴにおけるCry遺伝子の解析 (2010)
  • 著者名/発表者名: 福代真・竹内崇裕・竹内悠記・許成杓・洲鎌望・竹村明洋・久保葉子・岡野恵子・岡野俊行
  • 学会等名: 第17回日本時間生物学会学術大会
  • 発表場所: 早稲田大学国際会議場
  • 年月日: 20101120-20101121
• [学会発表] サンゴ礁域魚ゴマアイゴの生理学的パラメーターに及ぼす外因性コルチゾルの影響 (2010)
  • 著者名/発表者名: 中野俊樹・庄子唯・山口敏康・佐藤実・竹村明洋
  • 学会等名: 平成22年度日本水産学会秋季大会
  • 発表場所: 京都大学総合人間学部
  • 年月日: 20100922-20100925
• [学会発表] Molecular cloning of neuropeptide hormones and its expression in the brain of threespot wrasse. (2010)
  • 著者名/発表者名: Hur SP, Takeuchi Y, Park YJ, Jeong HB, Wambiji N, Kim SJ, Lee YD, Takemura A
  • 学会等名: 平成22年度日本水産学会春季大会
  • 発表場所: 日本大学生物資源科学部
  • 年月日: 20100326-20100330
• [学会発表] 静水圧変化がミツボシキュウセンの脳内モノアミンおよび生殖活性に及ぼす影響 (2010)
  • 著者名/発表者名: 柴田より子・内村美幸・許成杓・竹村明洋
  • 学会等名: 平成22年度日本水産学会春季大会
  • 発表場所: 日本大学生物資源科学部
  • 年月日: 20100326-20100330
• [学会発表] サンゴ礁域魚類ゴマアイゴのストレスタンパク質の発現に及ぼすヒートショックの影響 (2010)
  • 著者名/発表者名: 庄子唯・中野俊樹・亀田真澄・山口敏康・佐藤実・竹村明洋
  • 学会等名: 平成22年度日本水産学会春季大会
  • 発表場所: 日本大学生物資源科学部
  • 年月日: 20100326-20100330
• [学会発表] サンゴ礁の不思議な共生関係 (2010)
  • 著者名/発表者名: 竹村明洋
  • 学会等名: 第15回いのちの科学フォーラム
  • 発表場所: 京大会館
  • 年月日: 2010-02-06
• [学会発表] Effect of environmental cues on changes in monoamine contents in the brain of a tropical wrasse Halicoeres trimaculatus. (2009)
  • 著者名/発表者名: Shibata Y, Uchimura Y, Hur SP, Takemura A
  • 学会等名: 第7回東シナ海海洋学及び水産学に関する国際ワークショップ
  • 発表場所: 上海海洋大学
  • 年月日: 20091204-20091205
• [学会発表] Molecular characterization of arginin vasotocin and its expression patterns in the threespot wrasse, Halicoeres trimaculatus. (2009)
  • 著者名/発表者名: Hur SP, Takeuchi Y, Park YJ, Jeong HB, Park JG, Song KS, Wambiji N, Kim SJ, Lee YD, Takemura A
  • 学会等名: 第7回東シナ海海洋学及び水産学に関する国際ワークショップ
  • 発表場所: 上海海洋大学
  • 年月日: 20091204-20091205
• [学会発表] 生息環境変化がミツボシキュウセンの脳内モノアミンに及ぼす影響 (2009)
  • 著者名/発表者名: 柴田より子・内村三幸・許成杓・竹村明洋
  • 学会等名: 日本サンゴ礁学会第12回大会
  • 発表場所: 本部町中央公民館
  • 年月日: 20091127-20091129
• [学会発表] サンゴ礁に生息する魚類の産卵リズムに及ぼす月の影響 (2009)
  • 著者名/発表者名: 竹村明洋
  • 学会等名: シンポジウム「生物リズムをあやつる情報伝達分子研究の新展開」第34回日本比較内分泌学会大会
  • 発表場所: 千里ライフサイエンスセンター
  • 年月日: 20091022-20091024
• [学会発表] 月齢応答性をもつゴマアイゴにおけるCry3の同定および発現解析 (2009)
  • 著者名/発表者名: 福代真・竹内崇裕・洲鎌望・竹村明洋・久保葉子・岡野恵子・岡野俊行
  • 学会等名: 日本比較生理生化学会第31回大会
  • 発表場所: 千里ライフサイエンスセンター
  • 年月日: 20091022-20091024
• [学会発表] サンゴ礁域性魚類ゴマアイゴのストレス応答におけるヒートショックの影響 (2009)
  • 著者名/発表者名: 庄子唯・中野俊樹・山口敏康・佐藤実・竹村明洋
  • 学会等名: 平成21年度日本水産学会秋季大会
  • 発表場所: 岩手県民情報交流センターアリーナ
  • 年月日: 20090930-20091003
• [学会発表] ゴマアイゴ脳下垂体におけるメラトニン受容体遺伝子の発現 (2009)
  • 著者名/発表者名: 下山紗代子・竹村明洋
  • 学会等名: 平成21年度日本水産学会春季大会
  • 発表場所: 東京海洋大学
  • 年月日: 20090327-20090331
• [学会発表] ベラ科魚類における日周活動開始の分子機構-時計遺伝子による時刻合わせ- (2009)
  • 著者名/発表者名: 伊藤瞳・朴龍柱・竹内悠記・朴智権・竹村明洋
  • 学会等名: 平成20年度琉球大学21世紀COE成果報告会
  • 発表場所: 琉球大学
  • 年月日: 2009-03-14
• [学会発表] ミツボシキュウセンにおける潜砂行動と時計遺伝子発現の日周変化 (2008)
  • 著者名/発表者名: 伊藤瞳・朴龍柱・竹内悠記・竹村明洋・朴智権
  • 学会等名: 第27回日本動物行動学会
  • 発表場所: 金沢大学
  • 年月日: 20080924-20080926
• [学会発表] ミツボシキュウセンの脳内におけるThyrosine hydroxylaseの発現解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 朴智権・内村三幸・朴龍柱・竹村明洋
  • 学会等名: 第79回日本動物学会
  • 発表場所: 福岡大学
  • 年月日: 20080905-20080907
• [学会発表] Daily spawning cycle with tidal rhythm of motleystripe rainbowfish Halicoeres tenuispinis. (2008)
  • 著者名/発表者名: Kim SY, Lim BS, Hur SP, Lee TJ, Ryu YW, Park YJ, Kim SJ, Takemura A, Lee YD
  • 学会等名: World Aquaculture 2008.
  • 発表場所: Busan Exhibition and Convention Center
  • 年月日: 20080519-20080523
• [学会発表] 環境を利用して環境を守る:サンゴ礁生物利用した沖縄型アクアヒーリング産業創生 (2008)
  • 著者名/発表者名: 竹村明洋・大角玉樹・今井秀行
  • 学会等名: 沖縄産学官イノベーションフォーラム2008
  • 発表場所: 沖縄産業支援センター
  • 年月日: 2008-12-03
• [備考] ホームページ等
  • URL: http://www.takemura-lab.jp/index