研究課題/領域番号 |
20380121
|
研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
木村 凡 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (50262340)
|
研究分担者 |
高橋 肇 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教 (40413116)
久田 孝 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (00290081)
|
キーワード | Listeria monocytogenes / 食中毒 / 病原性 / 水産食品 / ネギトロ / イクラ |
研究概要 |
(1) 遺伝子マーカーの精査 L.monocytogenesの全ゲノムからタンデムリピート領域を探索し、これらの配列の組み合わせを用いて、血清型4b株を高い解像度で株分けできる手法を開発した。わが国のヒトのリステリア症分離株の検討では60%以上が血清型4bを原因しており、最もリスクの高い血清型とされている。 そこで、血清型4bの株を高い解像度で、且つ簡便に株分けする手法を開発した。本法は血清型4b株を3つのクラスターに分けることができた。 (2) 動物実験 ネギトロやイクラなどの水産食品からの分離株をマウスへ感染させての経過観察を行った。分離株の培養液をマウス静脈に注入し、その後、LD50を算出した。また、同様に静脈注入したマウスを解剖し、脾臓および肝臓への本菌の侵入性(侵入菌数)を調べた。その結果、水産食品分離株は臨床株と同程度の病原性を保持していることが示唆された。 (3) 食品での増殖試験 水産食品から分離されたL. monocytogenesを食品に接種し、各温度条件下での増殖挙動を観察した。10℃および15℃保存においては1〜2日目に10^3MPN/gを超えた。したがって、これらの水産食品が適正に温度管理されずに流通・放置された場合の本菌の挙動が詳細に明らかとなり、標的とすべきリスクの制御ポイントが明確になった。 以上の成果は平成18年度当初の計画をほぼ達成したと考えている。
|