研究課題/領域番号 |
20380129
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
仁平 恒夫 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター・北海道農業経営研究チーム, チーム長 (60442787)
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研究分担者 |
金岡 正樹 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター・異業種連携研究チーム, 上席研究員 (50355260)
久保田 哲史 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター・北海道農業経営研究チーム, 上席研究員 (80355669)
森嶋 輝也 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター・北海道農業経営研究チーム, 主任研究員 (30391486)
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キーワード | 企業的農業経営体 / 費用・収益構造 / ビジネスモデル / 競争優位 / 職務満足度分析 / バリューチェーン |
研究概要 |
水稲、畑作露地野菜、酪農の代表的な企業的農業経営体を対象に、1.事業構造と展開過程、生産量等に基づき類型化し、2.費用・収益構造や運営方法の分析により競争優位の源泉を摘出してビジネスモデルとしてまとめた。水稲では、大規模複合ビジネスモデルは水稲・小麦・大豆による範囲の経済追求によるコスト低減を、大規模水稲ビジネスモデルでは規模の経済追求によるコスト低減を競争戦略とし、両者とも圃場団地化や区画拡大、大型農機導入等の生産基盤・施設整備の領域や生産領域において競争優位を形成している。これに対し、同じ水稲でも多角化ビジネスモデルでは、加工領域で内部資源活用の重視、販売・マーケティングでは外部資源との連携により競争優位を形成している。 また、農業生産法人のバリュー・チェーン構築に重要となるブランド戦略に関して、ロット等の問題から自社ブランドを中心とした販売が困難な場合でも、契約先(大手量販店)の「プライベート・ブランド」、地域内産品を一元的に集出荷した「地域ブランド」および特定品種をクラブ制で知財管理する「プロダクト・ブランド」などの戦略(及びその組み合わせ)が可能であることを明らかにした。 さらに、コスト低減のための運営方法の解析を継続し、酪農のTMRセンター(大規模共同飼料生産供給組織)を対象に、収穫作業の委託コスト低減のための飼料作物立地配置モデルを開発した。牧草1番草、2番草、飼料用トウモロコシ生産について、圃場分布や収穫期間、収穫作業委託状況に応じ、収穫委託費用最小化のための牧草採草圃場と飼料用トウモロコシ栽培圃場の立地配置を提示可能である。また、畑作経営体を対象とした職務満足分析の結果に基づき、企業的経営のビジネスモデルに必要な基幹従業員のモチベーション向上のため、職務の満足・不満足を計測し、改善項目の重要度を視覚的に示し、改善の優先順位が判断できる簡易な手法を開発した。
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