研究課題/領域番号 |
20380132
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
三橋 伸夫 宇都宮大学, 工学研究科, 教授 (50229746)
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研究分担者 |
浅野 耕太 京都大学, 人間環境学研究科, 教授 (50263124)
石田 憲治 独立行政法人農業食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所, 部長 (60391174)
糸長 浩司 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (10184706)
山崎 寿一 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (20191265)
山本 勝利 独立行政法人農業環境技術研究所, 生物多様性領域, リーダー (30442726)
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キーワード | 新たな公 / 環境ガバナンス / 生物多様性 / コミュニティ / NPO / 社会関係資本 / 協働 / 持続可能性 |
研究概要 |
農的な環境ガバナンスに関して、(1)社会関係資本、(2)合意形成・パートナーシップ形成プロセス、(3)生物多様性・エコロジカルデザイン、(4)地域づくり・コミュニティ開発、の4つの評価視点から理論的ならびに実践的な検討を行った。(1)については、昨年度に引き続き共有資源管理における社会関係資本の役割に関するサーベイを充実させるとともに、社会関係資本のパフォーマンスを幸福概念より定量化するための理論的、方法論的研究を行った。(2)に関しては、中山間の耕作放棄地活用、都市近郊の里山管理などの事例研究を通して検討を行った。都市農村共生、野生生物保護、エネルギーの地域自給、持続可能な暮らしづくりと環境学習、などを背景として多主体による農的環境ガバナンスへの動機が生まれつつあるが、外来者の地域づくりへの動機形成、人材育成(能力開発)とその仕組みの構築、継続的資金獲得のための経営・運営手法の開発、などがガバナンス実現に向けた課題として焦点化されつつある。(3)の視点では、農村地域における生物多様性の意義をふまえ、コウノトリなど稀少生物種およびそれを取り巻く生態系の保全と農業生産との両立を実現するための方途、農林水産省が行う農地・水・環境向上対策における非農家・都市住民を取り込んだ農的環境管理の取組成立の要件、開発圧力が潜在する首都圏近郊の農的環境再生の取組支援、などについて引き続き検討を行った。(4)の視点からは、合併によりガバナンスの空白域が現出した中山間農村における地域課題を解決する主体として期待されるNPO法人の活動の内容と方向性および可能性について、現地調査および住民参加のワークショップを通じて検討、考察した。また、大都市圏内に残された貴重な農的環境を活かす環境・地域学習、食農教育およびコミュニティ活動が複合する地域づくりを農的環境ガバナンスの観点から検討、考察した。
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