研究課題/領域番号 |
20380141
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北野 雅治 九州大学, 農学研究院, 教授 (30153109)
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研究分担者 |
宮島 郁夫 九州大学, 熱帯農学研究センター, 准教授 (20182024)
江口 壽彦 九州大学, 生物環境調節センター, 助教 (40213540)
荒木 卓哉 愛媛大学, 農学部, 准教授 (10363326)
圖師 一文 尚絅大学, 総合生活学科, 講師 (50435377)
森 牧人 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (60325496)
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キーワード | 農業工学 / 気象資源 / 省エネルギー / 高付加価値化 / 環境調和型農林水産 / 高収益生産 / 環境ストレス / 園芸施設 |
研究概要 |
農業と農村の振興および食の安全と環境保全の観点から、地域の気象資源と植物の生理的機能に立脚して持続可能な高収益生産を可能にすることを目指す。そのために、多様な気象資源を利活用できる生産技術として、省エネルギー昼夜温処理、根域の短期間低温ストレス処理、チャの遮光・降温処理、斜面日射有効利用システム、地中水パイプ蓄放熱システム、気象資源の探索と定量的推定法を提示するとともに、それらの効果を生理的・工学的に検証することを目的としている。2年目の21年度は、初年度に構築した実験システムを用いて、下記の成果を得た。 1. 省エネ施設環境調節システム(地中水パイプ蓄放熱システム等)の省エネルギー効果を実証し、適正規模を算出した。また、システムを応用したスイカ果実の気温日較差処理(局所冷風処理)によって、糖度上昇などの品質向上効果を確認した。さらに、バラハウスにおいて夏季の低夜温管理へのヒートポンプの有効性を検証した。 2. 根域温度ストレス処理システムにおいて、葉菜の高品質化を目指して低温処理期間および高温前処理期間の最適化を行った。また、根の物質吸収能計測システムを用いて、根のイオン吸収と水吸収の統合モデルを酵素反応速度論に基づいて提案し、根域温度ストレス処理に対する根の物質吸収機能の反応を定量的に明らかにした。 3. 夏茶期の遮光処理、散水処理および遮光資材の高さの効果の検証を実際の圃場規模で実施し、遮光および高温回避の生育および品質の効果を確認した。また、遮光資材の高さによって葉面の光分布が異なることを明らかにした。 4. 中山間地(高知県四万十町)で、小型視程計を応用して霧の発生と消散を連続的に測定し、降水および放射冷却に起因した霧の発生状況を明らかにした。 5. 4方位斜面切土ハウス模型を用いて、斜面方位と日射環境、ハウス内熱収支および温度環境の関係を明らかにするとともに、斜面蓄熱槽および2重被覆の効果を熱収支解析によって明らかにした。
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