ケヤキ群落を対象として、可搬型レンジライダーによる計測と層別刈り取りによる調査を行った。その際、葉面積密度分布が異なるケヤキ群落内に区画を選定し、対象とする区画に生育する樹木群落をレンジライダーにより多方向から計測した。また、これと平行して、区画内の地面に1x1mのグリッドを描き、グリッド毎に、高さ方向のLADを層別刈り取りによって求めた。層別刈り取りは葉だけを対象とし、幹や枝は次年度も正常に葉をつけるように正常な状態で残存させた。そして、葉を除去した後の幹や枝をレンジライダーにより計測し、木部の3次元点群データを得た。 データ解析については、モデル樹木を対象として開発したボクセルベースの解析法を改良した。レンジライダーにより複数の方向から得られた点群データは、座標がそれぞれのライダーの位置を原点とした座標系である。このため、個々の位置から得られた点群データの座標系を一致させる処理を行い、統一座標系で解析する手法について検討した。具体的には、葉を取り除いた後の計測データを用いて、幹や枝などの木部器官の3次元モデルを作成するとともに、正常な状態で計測された点群データから木部器官のデータを取り除くことにより、葉群データを算出する手法を開発した。さらに、上記で得られた葉群データから、LAD分布やLAIなどを推定する手法.について検討した。 植物体からの反射あるいは蛍光を計測するための可搬型反射・蛍光ライダー開発の一環として、既存の装置を改良して、2波長レンジライダーを開発した。また、植物色素の計測のための波長検討のための基礎実験を行った。
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