研究課題/領域番号 |
20380149
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
盧 尚建 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (90322130)
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研究分担者 |
後藤 貴文 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (70294907)
千国 幸一 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所, 研究チーム長 (40355061)
平松 浩二 信州大学, 農学部, 教授 (80238386)
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キーワード | ウシ / 脂肪細胞 / 遺伝子解析 |
研究概要 |
本年度は脂肪蓄積に関連する候補遺伝子から実際脂肪組織間で発現量の差が確認された遺伝子、(1)Adipogeninと(2)Chemerinについて脂質代謝調節に関して詳細な機能解析を行った。(1)Adipogeninは脂肪細胞で特異的に発現する遺伝子として、脂肪蓄積や脂肪細胞分化過程において遺伝子発現量が上昇することが知られている。しかし、Adipogeninが脂肪細胞分化の初期段階にどのような役割をしているかは不明である。そこで、本研究では、Adipogenin遺伝子の機能解析のために、C2C12骨芽細胞にAdipogenin遺伝子を導入し、筋芽細胞の脂肪蓄積と脂肪細胞分化能について調査した。Adipogenin遺伝子を導入した細胞を脂肪分化誘導培地で培養したところ、2日目から中性脂肪の蓄積が確認され、5日目になると脂肪敵が大きくなることが観察された。 (2)肝細胞におけるHepatokineとしてのChemerinの発現と分泌に影響を与える因子について調査した。24時間の脂肪酸処理によりHepG2では脂肪の蓄積が確認され、HepG2とヒツジ肝臓初代培養細胞共にChemerinの発現上昇が確認された。6時間グルコース処理によりHepG2ではChemerinの発現低下が確認された。以上の結果からChemerinは脂肪酸処理時には発現が上昇し脂肪酸の取り込み、脂質の合成を促進していること、グルコース処理時には脂肪細胞とは異なる発現動態を示していることが確認された。 以上の結果から、AdipogeninとChemerin遺伝子は脂質代謝と脂肪蓄積に関わる重要な因子であることが明らかになった。
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