平成20年度は草資源で良質かつ安全な牛肉を生産するシステム構築のためのウシの体質形成プログラムの検討を行った。給与飼料についてまず、初期成長期を代用乳(インプリンティングに使用するミルクは全酪連への特注によるタンパク質と脂肪分、エネルギーをそれぞれ強化したミルクを使用予定)し濃厚飼料を用いた穀類多給区と代用乳(通常市販ミルク)と粗飼料を用いた粗飼料多給区の2群に分け、これらの飼養環境における影響を解析した。量的にも哺乳ロボットを用いることで、飽食にした。ニードルバイオプシーおよびショットバイオプシーにより微量筋サンプルをロース芯(胸最長筋)より採取し、体質制御における肉質関連の候補遺伝子群の発現を調査し、特に脂肪形成因子群で初期成長期の栄養処理の影響が出ることが明らかとなった。また、和牛の体質制御におけるDNAチップを用いたゲノムワイドな遺伝子の網羅的発現解析による代謝インプリンティング機構関連因子の探索も行い、いくつの代謝に影響を与えるpathwayが見つかっている。これらの解析によって初期成長期の和牛の代謝インプリンティングによる体質制御機構に関連した遺伝子のプロファイル、単離、それらの相互作用、発現動態を明らかにする予定である。
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