研究課題/領域番号 |
20380152
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
吉澤 緑 宇都宮大学, 農学部, 教授 (60114162)
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研究分担者 |
福井 えみ子 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (20208341)
松本 浩道 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (70241552)
長尾 慶和 宇都宮大学, 農学部, 教授 (70291953)
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キーワード | ウシ / 遺伝子 / 体外受精 / マーカーアシスト / 胚移植 / OPU |
研究概要 |
本研究では、牛における遺伝子の多型解析によりマーカーアシスト選抜を行い、望む形質の遺伝子を有する精子、卵子を選び出して組み合わせ体外受精させることによって、望む形質の胚を作出し、胚移植することでデザイナー子牛を生産することを目的とした。さらに胚のバイオプシーによる形質確認と雌雄判別、正常性診断や発生に関連する遺伝子の検索を行い、移植に適した高品質の胚を選別し、卵子や胚の凍結技術により望む形質をデザインされた胚の生産を随意に行い、受胚雌の選定や適切な時期での移植を可能とするデザイナー子牛生産を効率的に行える一連の技術の確立を目指し、本年度は以下の成果を得た。 1.既知遺伝子型のウシからのOPUおよびと場卵巣由来卵子を用いたデザイナーズ胚の作出と移植によるデザイナーズ子牛の誕生 経済形質の優れた黒毛和種高齢雌牛の遺伝子多型を解析しOPUにより卵子を採取し、遺伝子組成既知の精液を用いて体外受精胚を作出し、胚発生能と遺伝子多型関連性を明らかにした。さらに当該雌牛がと場へ出荷されるに際して卵巣を採取し、卵胞内卵子を得て同様に体外受精を行い、胚盤胞まで発生させ作出された8個の胚を受胚雌牛1頭当たり2個、4頭の雌に移植し、そのうち2頭の分娩が予定され、平成23年7月21日朝、雄1頭(37Kg)が無事誕生し、26日にも雄1頭が生まれたがこちらは死産であった。このデザイナー子牛の誕生の記事は新聞紙上に掲載された。 2.遺伝子多型の分析と作出胚の発生能の関連についての成果発表 Tumorproteinp53geneの黒毛和種における塩基配列決定とその多型と胚発生の関連について、論文を発表した。また着床に関連するBrcal遺伝子などの発現動態や乳房炎に関連するBoLA-DQA1遺伝子型の多型解析などを進めて、成果を学会で発表した。
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