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2009 年度 実績報告書

胎盤特異情報を付加させた再構築組織による母子境界領域の免疫応答の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20380162
研究機関山口大学

研究代表者

木曽 康郎  山口大学, 農学部, 教授 (10142374)

研究分担者 岩田 祐之  山口大学, 農学部, 教授 (40193750)
加藤 大智  山口大学, 農学部, 准教授 (00346579)
キーワード胎盤 / 子宮NK細胞 / アレルギー / IgE / 血管内皮成長因子 / 胎盤成長因子 / 胎盤迷路部 / 間膜腺
研究概要

本研究の目的は、妊娠現象の全過程を通して母子境界領域での免疫応答と胎盤特異的情報との関連を総括的に把握することである。本年度は,Th2サイトカイン優勢なアレルギーモデルマウスを用いて,生殖能力を検討した。特に,IgEと母子境界領域で出現するリンパ球との関連を明らかにすることを目的とした。さらに,胎盤特異情報の因子として,血管内皮成長因子(VEGF)と胎盤成長因子(PIGF)に注目した。アレルギーモデルマウスでは,対象群と比較して,血中IgE濃度は有意に高く(約100倍),胎盤の発達(重量)も悪かったが,胎子数と流産率に有意な差は見られなかった。逆に,間膜腺の発達は増加したが,そこで増殖する子宮NK細胞の動態に有意な変化は見られなかった。しかしながら,未熟な子宮NK細胞は有意に低く,アレルギー状態が子宮NK細胞の分化に強く影響していることが示唆された。IgEレセプターは変化しなかったが,高親和性のレセプターと低親和性のレセプターのバランスに変化が見られ,このアンバランスにより,子宮NK細胞の分化が彰響を受けたものと考えられた。VEGFは顕著な変化が見られなかったが,PIGFは低い傾向にあり,そのため胎盤の発達が低かったものと考えられた。今回は実験的に(強制的に)誘導させたアレルギーモデルであったので,今後の課題として,自然発症のアレルギーでの解析が必要であるが,高IgE血症が妊娠過程において,免疫担当細胞に影響を与えること,特にその分化過程に強く影響することが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] Uterine natural killer cells in perforin and β2-microglobulin deficient mice.2009

    • 著者名/発表者名
      Phichitrasilp T., ら
    • 雑誌名

      J Vet Med Sci

      巻: 71 ページ: 251-253

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Spontaneous endometrial hyperplasia in the uteri of IL-2 receptor beta-chain transgenic Mice.2009

    • 著者名/発表者名
      Kusakabe K., ら
    • 雑誌名

      J Reprod Dev

      巻: 55 ページ: 273-277

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Agrin pathway is controlled by leukemia inhibitory factor (LIF) in murine implantation.2009

    • 著者名/発表者名
      Terakawa J., ら
    • 雑誌名

      J Reprod Dev

      巻: 55 ページ: 293-298

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reproductive performance in diabetes mice with a special reference to uterine natural killer cells and placental growth factor.2009

    • 著者名/発表者名
      Phichitrasilp T., ら
    • 雑誌名

      J Vet Med Sci

      巻: 71 ページ: 519-523

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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