研究課題/領域番号 |
20380164
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
奥 祐三郎 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 准教授 (60133716)
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研究分担者 |
野中 成晃 宮崎大学, 農学部, 准教授 (50281853)
松本 淳 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (70296169)
渡辺 純一 東京大学, 医科学研究所, 助教 (20201189)
杉本 千尋 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (90231373)
八木 欣平 北海道大学, 北海道立衛生研究所・生物科学部, 衛生動物科長 (70414323)
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キーワード | エキノコックス / 網羅的cDNAライブラリー / RNA干渉 / 発育段階 / テトラスパニン / 組換えワクチン / AntigenB / 診断 |
研究概要 |
すでに、我々は多包条虫の幼虫のcDNAライブラリを作成してきた。今年度はさらに成虫のcDNAライブラリも作成し、まず、5'および3'末端のワンパスシークエンスを行った。これらの塩基配列とエキノコックスのゲノム情報から、宿主由来のcDNA除去し、寄生虫由来のcDNAを選択したところ、成虫からは9,500クローン、幼虫からは12,500クローン得られ、両者で約6,500遺伝子が検出された。幼虫は無性増殖する事が多包虫の特徴であるが、増殖因子と相同性の高いcDNAや、増殖に関連する因子も認められた。 幼虫からはAntigenB類が、成虫からはSolute Carrier Familyのクローンが高頻度に認められ、その他の遺伝子も含めて多包条虫の発育段階により顕著な差が認められた。 これらの遺伝子の機能を解析するため、まず、RNA干渉の条件設定のためのターゲットとして幼虫で最も高頻度に認められたAntigenB/1に注目し、原頭節を用いてRNA干渉を試みた。リアルタイムRT-PCRによりmRNAを測定し、electroporation法とSoaking法について様々な条件設定を行なったが、electroporationだけでもAntigenB/1のmRNAは顕著に減少し、現在は他の遺伝子について検討している。また、多包虫の胚芽細胞を用いたRNAiも一部成功している。 ワクチン候補として膜関連蛋白を解析し、特に住血吸虫でワクチン候補として知られているTetraspanin類について解析し、それぞれのTetraspaninに対する組み換えタンパクを作成し、中間宿主であるマウスに対するワクチン効果について、虫卵感染マウス系で観察したところ、顕著なワクチン効果が示された。 これらに加えてプロテアーゼおよび抗酸化関連遺伝子について解析した。
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