研究課題
我々は多包条虫の幼虫と成虫のcDNAライブラリを作成し、5'ワンパスシークエンスデータからin silico解析を行っている。5種のSpliced leader,様々な主要抗原の幼虫および成虫の発現の偏り、熱ショック蛋白(18種)、ミトコンドリアlarge subunit ribosomal RNA(16S)、成虫特異的に発現するSolute Carrier Familyおよび成虫の様々な蛋白など、その他の遺伝子も含めて多包条虫の発育段階により顕著な差が有ることが示された。次ぎに、これらの分子の機能を解析するため、前年度に原頭節のRNA干渉の条件設定を行ったAntigenBにつづいて、ターゲットとして幼虫の増殖に関連すると考えられるAntigenII/3,14-3-3に注目し、RNA干渉を試みた。リアルタイムRT-PCRによりmRNAを測定し、AntigenII/3,14-3-3のmRNAは顕著に減少していることを示し、さらに、抗血清用いてこれらのタンパク量においても減少していることを確認した。また、これらのについて多包虫の胚芽細胞を用いたRNAiも行い、成功した。ワクチン候補としてTetraspanin類(TSP1-12)について解析し、TPS1-7について幼虫に対するワクチン効果を比較し、TSP1と3に効果があり、TSP5は有鉤嚢虫診断用抗原との相同性から今後診断用抗原としての有効性が示唆された。さらに、さまざまなプロテアーゼ(18種)、抗酸化関連遺伝子、アクチン(6種)などについて解析した。現在は成虫および幼虫に特異的な主要診断用抗原である糖蛋白(特にTSES33/38とEm2)に注目し、研究を進めている。
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