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2009 年度 実績報告書

ウマヘルペスウイルス1型レセプターの機能解析とそれを基盤とした感染予防法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20380165
研究機関北海道大学

研究代表者

木村 享史  北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 准教授 (90261338)

研究分担者 澤 洋文  北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (30292006)
キーワードヘルペスウイルス / ウマ / レセプター
研究概要

ウマ脳血管内皮細胞よりクローニグしたEHV-1レセプター(以下EHVRと略す)の機能を解析する目的で、平成21年度は以下の実験を行った。
EHVRを安定発現させたNIH3T3細胞(3T3-EHVR細胞)とEHV-1感受性細胞株であるCHO細胞、RK13細胞におけるウイルス侵入様式を比較解析した。EHV-1のCHO細胞への侵入はエンドサイトーシスを介するのに対し、RK13細胞への侵入は細胞膜とウイルスエンペロープ膜の直接融合によることが過去に報告されている。これら細胞のエンドサイトーシスをATP枯渇により阻害し、EHV-1の細胞内侵入に及ぼす影響を調べた。その結果、3T3-EHVR細胞におけるウイルス侵入量はCHO細胞と同様に減少し、一方で、RK13細胞においてウイルス侵入の阻害は認められなかった。従って、EHV-1はエンドサイトーシス経路を利用して3T3-EHVR細胞に侵入することが明らかとなった。
HSV非許容細胞であるCHO-K1細胞にEHVRを一過性発現させ、ヒト単純ヘルペスウイルス(HSV)を感染させたが、HSVに対する感受性は認められなかった。従って、EHVRはHSVに対してはレセプターとして機能しないと考えられた。
Northern hybridizationによる検索で、EHVRはウマ体内においてほとんど全ての臓器に発現することが明らかとなっている。より自然宿主に近い病態を再現するマウスモデルを作成するため、導入遺伝子をubiquitousに発現させるプロモーターを使用してEHVR遺伝子導入マウスを作製し、系統の樹立を現在行っている。
以上に加え、EHV-1が細胞内侵入の際に利用するエンドサイトーシス経路は細胞株によって異なることを明らかにし、報告した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Large T antigen promotes JC virus replication in G2-arrested cells by inducing ATM- and ATR-mediated G2 checkpoint signaling.2010

    • 著者名/発表者名
      Orba Y., et al.
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 285

      ページ: 1544-1554

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Infectious entry of equine herpesvirus-1 into host cells through different endocytic pathways.2009

    • 著者名/発表者名
      Hasebe R., et al.
    • 雑誌名

      Virology 393

      ページ: 198-209

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Inhibition of the SDF-1α-CXCR4 axis by the CXCR4 antagonist AMD3100 suppresses the migration of cultured cells from ATL patients and murine lymphoblastoid cells from HTLV-I Tax transgenic mice.2009

    • 著者名/発表者名
      Kawaguchi Y., et al.
    • 雑誌名

      Blood 114

      ページ: 2961-2968

    • 査読あり
  • [学会発表] ウマヘルペスウイルス1型レセプターのクローニングと機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      佐々木道仁,長谷部理絵,谷山弘行,澤洋文,木村享史
    • 学会等名
      第57回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      都市センターホテル(東京)
    • 年月日
      2009-10-25

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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